小 河 原 和 夫 著

超薄肉マグネシウム
合金ダイカスト

──その製造技術と不良対策──

B5判、簡易製本、本文300頁、定価6,900円(税別)



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 マグネシウムダイカストの製造技術の識見については右に出る者はいないと評されている小河原和夫氏(筑波ダイカスト名誉技術顧問)が長年にわたり培ってきた現場技術の研究成果と豊富なデータ資料を駆使してまとめあげた集大成の作品。マグネシウムに多少とも関わり合いのある者にとっては決して見逃せない必携の書である。

目  次

発刊によせて  i
まえがき    iii
目 次     ix
内容目次    x

第1章 ダイカスト法の特徴及び湯流れと凝固に起因する鋳造欠陥  1
 [はじめに]
 1.ダイカスト法の特徴
 2.湯流れと凝固に起因する鋳造欠陥
 [本章のまとめ]

第2章 マグネシウム合金の鋳造性  7
 [はじめに]
 1.マグネシウム合金の流動性
  1.1 合金の熱物性値と流動性
  1.2 合金の凝固形態と流動性
 2.マグネシウム合金の熱間割れ性
 3.マグネシウム合金のひけ性
 [本章のまとめ]

第3章 マグネシウム合金の物性値と鋳造条件  17
 [はじめに]
 1.合金の凝固潜熱と鋳込速度
 2.合金の熱伝導率と鋳込速度
 3.合金の凝固温度
 4.金型温度
 5.金型の熱伝導率と鋳込速度
 6.鋳物の肉厚と鋳込速度
 7.溶湯の流動長
 8.合金の密度と鋳込圧力・鋳込速度
 [本章のまとめ]

第4章 マグネシウム合金の流動性試験  27
 [はじめに]
 1.試験方法
 2.試験条件
 3.熱電対の校正
 4.熱分析
 5.流動性試験結果
 [本章のまとめ]

第5章 金型内を流動する溶湯の流動停止機構と流動長の理論式  37
 [はじめに]
 1.純金属の場合の流動長の理論式
 2.合金の場合の流動長の理論式
 [本章のまとめ]

第6章 金型表面における熱移動の性質  43
 [はじめに]
 1.共晶凝固点の探知
 2.凝固中の溶湯温度と金型表面温度
 3.実験結果
 [本章のまとめ]

第7章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストの湯口速度  49
 [はじめに]
 1.湯口速度の理論式
  1.1 溶湯動圧から求める式
  1.2 プランジャー速度から求める式
  1.3 流量係数Cの値
  1.4 覚えておきたい実用上便利な式
 2.高速充填の理論的解明
 3.高速充填で溶湯の温度が上昇する現象
 [本章のまとめ]

第8章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストの充填時間 63
 [はじめに]
 1.F.C.Bennettの式
 2.H.H.Pokornyの修正式
 3.Bennettの式はダイカストに適さない!!         
 4.NADCAの提唱する式
 5.NADCAの式をマグネシウム合金ダイカストに適用する
 6.NADCAのパラメータを再検討する
 7.改訂したパラメータをNADCAの式に適用する
 8.充填時間の筑波ダイカスト標準を作成する
  8.1 標準作成の前提条件
  8.2 充填時間の筑波ダイカスト標準
 [本章のまとめ]

第9章 ダイカストでは充填時間だけが鋳造条件である  81
 [はじめに]
 1.充填時間の式の定数と変数
 2.鋳造側の式の定数と変数
 3.充填時間だけが唯一の鋳造条件だ!
 [本章のまとめ]

第10章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストの金型温度  85
 [はじめに]
 1.金型温度というものは存在しない
  1.1 金型の温度分布
  1.2 金型温度の正しい測定法
 2.マグネシウム合金ダイカストの適正金型温度を調べる
 3.適正金型温度を把握する実験
 4.金型温度を上げる手段
  4.1 鋳込温度を上げる方法
  4.2 鋳造サイクルを短縮する方法
  4.3 金型を加熱する方法
    ◆温調回路設計のポイント
  4.4 ジグザグ温調回路の実験
 [本章のまとめ]

第11章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストのランナー設計  97
 [はじめに]
 1.フィード角とランド長さの分析
 2.ランナー・ゲート方案の流動解析
  2.1 流動解析の目的
  2.2 LCDカバー(B)の鋳造諸元
  2.3 LCDカバー(B)の流動解析条件
  2.4 3種類のランナー方案
  2.5 流動解析の結果
 3.量産型にファンゲートを適用
 [本章のまとめ]

第12章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストのエアーベント  111
 [はじめに]
 1.充填不良の原因は2つある
 2.エアーベントがないと背圧はどうなる?
 3.LCDカバー金型のエアーベント断面積を調べる
 4.エアーベント断面積の計算式
  4.1 LCDカバー金型で排出されるガスの速度を計算する
  4.2 ガス速度≦音速の条件でエアーベント断面積を逆計算する
 5.LCDカバー金型のエアーベントを改造する
 [本章のまとめ]

第13章 マグネシウム合金ダイカストの離型剤  123
 [はじめに]
 1.オリジナル水溶性離型剤の開発
 2.オリジナル水溶性離型剤の性能評価
 3.オリジナル水溶性離型剤の成分と役割
 4.マグネシウム合金ダイカストに水溶性離型剤は適していない!
 5.油性離型剤への移行
 [本章のまとめ]

第14章 流動長を伸ばす金型表面処理TiAlN法  131
 [はじめに]
 1.流動長の試験方法
 2.流動長の試験結果
 3.試験結果の考察
  3.1 金型表面処理材の熱的特性
  3.2 滴下溶湯の凝固時間測定
  3.3 試験サンプルの鋳造組織比較
  3.4 金型表面粗さと流動長
  3.5 金型温度と流動長
 [本章のまとめ]

第15章 流動長を伸ばす金型表面処理シボ加工法  141
 [はじめに]
 1.シボ加工とは
 2.D-Flowプロセス
 3.D-Flowプロセスの実験
 4.幾何学的な模様を彫り込む
 [本章のまとめ]

第16章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストの射出スリーブ  153
 [はじめに]
 1.スリーブ充填率の計算式
 2.スリーブ充填率の実態調査
 3.スリーブ充填率の問題点
  3.1 スリーブ内のエアーが問題だ!
  3.2 スリーブ内での温度低下も問題だ!
 4.スリーブ内のガス抜き対策
 5.スリーブ内の湯温低下防止対策
 [本章のまとめ]

第17章 凝固の潜熱を逃がさぬ工夫:断熱板  161
 [はじめに]
 1.金型からダイプレートへの熱の流れ
 2.断熱板の取付け位置
 3.断熱板の寸法
 4.断熱板の特性
 5.テスト結果の概要
 [本章のまとめ]

第18章 超薄肉マグネシウム用スーパースリーブの開発  165
 [はじめに]
 1.スーパースリーブの設計
  1.1 ガス抜き溝寸法の決定
  1.2 保温性・断熱性の対策   
  1.3 スーパースリーブ設計図
 2.スーパースリーブの効果予測
 3.スーパースリーブのテスト結果
  3.1 鋳造テスト概要
  3.2 断熱板の効果
  3.3 スーパースリーブの効果
  3.4 金型温度測定結果
 [本章のまとめ]

第19章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストの鋳造波形  177
 [はじめに]
 1.超薄肉マグネシウム合金ダイカストの代表的な鋳造波形
 2.鋳造波形の読み方
 3.650 t-C号機の鋳造波形を描く
 4.鋳造波形の考察
 [本章のまとめ]

第20章 P-Q2線図を描いて鋳造条件をチェックする  197
 [はじめに]
 1.P-Q2線図を描く準備をする
 2.P-Q2線図を描く
 3.P-Q2線図で鋳造条件をチェックする 
 4.プロセスポイントのバラツキを調べる
  4.1 10個のプロセスポイントを描く準備をする
  4.2 10個のプロセスポイントを描く
  4.3 10個のプロセスポイントの分布状態
  4.4 なぜ、2つが仲間はずれになるのか?
 [本章のまとめ]

第21章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストの流量係数C  215
 [はじめに]
 1.流量係数とは
 2.鋳造波形から求めた流量係数Cの値
 3.流量係数Cの文献値
 4.鋳造波形から得た流量係数Cの値を文献値と比較する
 5.流量係数Cの筑波ダイカスト標準
 6.流量係数Cの本当の意味
 [本章のまとめ]

第22章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストのチル層  223
 [はじめに]
 1.チル層とは
  1.1 アルミニウム合金ダイカストのチル層
  1.2 亜鉛合金ダイカストのチル層
 2.超薄肉マグネシウム合金ダイカストのチル層
  2.1 ダイカスト素材の準備
  2.2 実験方法
  2.3 実験結果
  2.4 実験結果の考察
  2.5 実験結果のまとめ
 3.超薄肉マグネシウム合金ダイカストの機械的性質
  3.1 試験方法
  3.2 試験結果
  3.3 試験結果の考察
  3.4 試験結果のまとめ
 [本章のまとめ]

第23章 マグネシウム合金溶湯の危険な低温度域  241
 [はじめに]
 1.ドロスは浮き、スラッジは沈む
 2.マグネシウム合金に発生する金属間化合物
 3.金属間化合物を生成させる危険な低温度域
  3.1 溶湯成分の変化による良品率低下
  3.2 金型温度不十分による良品率低下
  3.3 鋳造作業では問題はない
  3.4 金属間化合物を抑える対策
 4.ドロス・スラッジは何処から金型に入るのか?
 5.スラッジは暴れん坊で、困り者
 6.滓上げ作業と沈静時間
 [本章のまとめ]

第24章 融けたマグネシウムの取扱いを化学する  251
 [はじめに]
 1.水との接触は絶対に避ける
  1.1 水蒸気爆発
  1.2 水素爆発
  1.3 水との接触を避ける具体策
  1.4 水と接触しても安全なときもある
 2.空気との接触も絶対に避ける
 3.鉄錆びとの接触は最も危険である
  3.1 溶融したマグネシウムと鉄錆びの危険な関係
  3.2 テルミット反応とは
  3.3 テルミット反応の還元反応式
  3.4 マグネシウムの溶解には鉄鍋が使える
  3.5 テルミット反応による事故例
 4.スラッジのアンモニア臭の原因
 [本章のまとめ]

第25章 超薄肉マグネシウム合金ダイカストの不良対策  261
 [はじめに]
 1.超薄肉マグネシウム合金ダイカストの特性
 2.超薄肉マグネシウム合金ダイカストの特性と不良対策
  2.1 流動性が悪い特性・・充填不良・湯じわ・湯境・融合不良割れ
  2.2 金属間化合物を発生し易い特性・・ハードスポット・腐食・その他
  2.3 スリーブ充填率が小さい特性・・充填不良・鋳巣・ふくれ
  2.4 熱間割れの感受性が強い特性・・熱間割れ・その他
  2.5 ひけの感受性が強い特性・・ひけ
  2.6 融合不良割れの感受性が強い特性・・湯じわ・湯境・融合割れ
 3.補足説明
  3.1 金型温度を上げる対策
  3.2 熱間割れの対策
  3.3 ひけの対策
  3.4 融合不良割れの対策
 4.肉厚が均一でないことで発生した割れ不良の事例
 [本章のまとめ]

あとがき   277
索引     279