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NO.1865(2007年12月3日号)


不二ライトメタルの前畑社長が初会見
加工品比率 28%から 50%に
09 年売上 500 億円、 営業利益率 3%

 10 月 1 日付でアルミ押出材の製販会社として誕生した不二サッシライトメタルの前畑政富社長はこのほど本誌と会見、 「加工品比率を 50%に引き上げるとともに、 09 年度に売上高 500 億円、 営業利益率 3%を実現して不二サッシグループの柱に育てる」 と抱負を語った。

 押出能力は東西で計 6,800d
 新会社は旧九州不二サッシ及び不二サッシの資材事業部を経営統合して資本金 20.90 億円、 不二サッシの 100%子会社として設立。 主要組織は九州不二から継承した西日本事業部と加工品事業部、 不二サッシの千葉工場を継承した東日本事業部からなる。 関西不二サッシも西日本事業部関西工場として加わった。 西日本・加工品及び東日本各事業部はともに溶解・鋳造、 押出、 表面処理および加工設備を保有するアルミ押出一貫工場。 社員は西日本及び加工品事業部 500 名、 東日本事業部 250 名のほか、 東西に協力会社が各 250 名おり、 総従業員数は 1,250 名。 不二サッシ資材事業部の社員は新会社に転籍済み。
 主要設備と生産能力は右表の通りで、 押出能力は西日本が月産 4,150d、 東日本が 2,650dの計 6,800d。 「シフトアップすれば現状設備で月産 8,000dまでは可能」 (前畑社長)。 押出機の保有台数は西日本が滋賀工場の 1 基を含め 7 基、 東日本が 7 基の計 14 基。 このうち東日本の 2 基は休止中で、 実稼働は 12 基。 押出各社は大型機や間接機の導入が相次いでいるが、 「当面予定にない」。
  「不二グループの保有する押出設備・技術力を結集して最適な供給体制を確立する。 不二グループへの建材用形材の安定供給、 九州不二が育ててきた形材外販事業、 特に高付加価値の加工品・精密加工品の強化育成を軸に、 当社を不二グループの柱に育てることが私の役目」
 関東以北の市場を積極的に開拓
 06 年度における不二グループの押出材外販事業の年商規模は 333 億円。 内訳は長尺材出荷の非加工品が 72%、 精密加工品・加工品が 28%。 「長尺材の出荷量を減らすことなく加工品比率を高め、 50%まで引き上げる。 特に関東以北の市場を開拓する。 それらの施策により 2010 年 3 月期には売上高 500 億円、 売上営業利益率 3%を確保する」
  「加工品は従来、 家電・半導体・自動車・建設資材などが主力。 九州地区は目下、 自動車・半導体・液晶・太陽電池関連企業の進出が目覚ましいので、 従来品だけでなく各種搬送装置や部品、 安全柵・クリーンルーム部品・自動車用サンルームレールなど新たな需要開発の余地が大きい。 その中でも高付加価値の精密加工品を拡大していく。 実際、 コピー機部品用引抜抽伸管は 200 万本を生産するなど量産化にも成功した」
 一方、 関東以北の拡販対策として、 まず東日本事業所の加工設備を拡充する方針。 07 年度の設備投資計画 23 億円の中には高耐候表面処理設備などとともに、 東日本事業部のマシニングセンター・加工機器の導入などを積極的に盛り込む。 「加工品・精密加工品はライフサイクルが短いので、 月商 1 千〜2 千万円程度の開発品を数多く育て、 経営の安定化を図る」
 また、 合金種も現状 6063 が 90%と圧倒的に多いが、 6061・3003・5083・60N1 なども実生産に入る一方、 7000 系にも挑戦中だ。
 製品開発で今面白いのがマグネシウム事業。 03 年春から熊本大学などとマグネ事業の実用化研究に着手、 06 年 1 月には JST (科学技術振興機構) の産学官共同開発にも参加した。 既にマグネ押出材から製品幅 260o・板厚 0.6〜4.5oの板材の量産化に成功、 パソコン筐体など向けに月間 3d程度の商業生産を行っている。
 腹の据わった生粋の肥後モッコス
【前畑社長の横顔】65 年熊本第一工業高校を卒業後、 70 年九州不二サッシに入社、 以降工場勤め一筋。 生まれも育ちの熊本の生粋の肥後モッコスが、 今回、 将来の不二グループの屋台骨を支える新会社の社長に抜擢された。 現場に精通する技術力と統率力、 顧客に信頼される裏表のない誠実な人柄、 新製品・新技術を取り込む前向きな姿勢などが買われた。 趣味はウォーキングとスポーツ観戦。 好きな言葉は 「努力すれば初志貫徹できる」。


東洋アルミが電解箔値上げ
2 月 1 日出荷から、高圧用s30 円
 東洋アルミニウムはこのほど、 08 年 2 月 1 日出荷分から電解コンデンサ用アルミ箔の価格について、 加工賃の是正を行うと発表した。 地金市況とは関連のない、 いわゆるロールマージンの引き上げを実施するもの。 値上げ幅は中高圧用がs当たり 30 円以上、 低圧用・陰極用が同 40 円以上。
 値上げ理由は、 @07 年 4 月に実施した加工賃是正の積み残しの解消、 A燃料や圧延油、 梱包副資材価格、 物流関連費の高騰によるコストアップを生産性向上など自助努力で吸収するのは困難、 Bより厳しさを増すユーザーの品質要求への対応。
 電解コンデンサ用箔需要はデジタル家電の普及に伴って需要が拡大中。 その安定供給のためにもロールマージン改訂が必要という。


古河スカイが初受注
薄膜 PV セル製造用基板ホルダー
08 年後半に月 3 億円、FSV・FIAも増産
 古河スカイは国内の大手太陽電池メーカーから薄膜シリコン太陽電池セル製造用の大型炉向けのアルミ鍛造基板ホルダーを初受注した。 小山工場に設置した国内最大の 1 万 5,000d油圧鍛造機で製作する。 同ホルダーは軽金属学会の 07 年度小山田記念賞に内定済み。
 太陽電池は通常、 多結晶・単結晶シリコンバー材からスライスしたセルを、 数十枚並べてモジュールを作る。 この場合、 セルの厚さが 200μと厚いため、 昨今のシリコン不足から、 真空炉内でガラス基板にシランガスを蒸着させる厚さ 2〜3μの薄膜型が増えつつある。 この真空炉や炉内の基板ホルダーにはガス発生量が少なく、 高真空が得られるアルミ材が採用されてきたが、 従来はアルミ溶接構造。 これに対し古河スカイの新製品は、 接合部の少ない熱間鍛造品のため、 より高真空が得られる。
 太陽電池はクリーンエネルギーの一つとして世界各国で大幅な増産が続く。 世界最大手のシャープは葛城工場に続いて堺工場に大型設備を計画、 京セラや三菱電機、 三洋電機も大増産計画を進めている。 古河スカイはこうした動きから、 基板ホルダーの需要は急速に拡大、 08 年度には月間 3 億円程度に増大すると予測する。
 一方、 ベトナムの子会社 FSV が展開するディーゼルエンジンのターボチャージャー用アルミ鋳物コンプレッサーホイールは現状月間 40 万個体制。 品質優位性の評価が高く、 欧州ユーザーからの受注が拡大しているため、 小山工場からの鋳造機の移設など設備増強を急ぎ、 08 年には月間 100 万個体制、 09 年には 150 万個体制とする。
 また、 自動車熱交用のアルミ押出多穴管を製造するインドネシアの FIA は、 東南アジア地区での自動車需要が急回復、 新設の押出機は既にフル稼働に入った。 FIA の売上高は 06 年度 22 億円から、 07 年度 30 億円、 08 年度 38 億円、 09 年度 42 億円に急拡大する見通し。


住軽金、 上期は史上最高経常益
棚卸評価益と地金高で+33 億円
 住友軽金属の 9 月中間連結決算は、 トラック架装子会社の日本トレクスの極東開発への譲渡などで 0.7%の減収となったが、 棚卸評価益や豪州のアルミ製錬会社の増益により、 営業利益は 99.21 億円・前年同期比 11.4%増、 経常利益は 81.54 億円・34.5%増となり、 史上最高益を記録した。 しかし、 新日東金属のサンエツ金属への譲渡に伴う事業整理損 25.5 億円を計上したことから、 最終利益は 30.3%減の 24.64 億円となった。 中計の 2010 年度 1,650 億円を目標とする有利子負債は上期中に 143 億円を削減、 期末残高 1,911 億円と 2,000 億円の大台を大きく割った。
 経常利益は前年同期比 21 億円の増益。 増益要因は、 @棚卸資産評価を後入れ先出し法から総平均法への変更で 19 億円、 A地金価格高騰による豪州のアルミ製錬子会社の増益 14 億円、 B値上げ効果 2 億円の計 35 億円。 一方、 減益要因は、 @原燃料価格上昇分 4 億円、 A償却方法の変更 7 億円、 Bその他 3 億円の計 14 億円。
 売上高は微減だが、 実際は日本トレクスの売却分約 120 億円のマイナスを、 アルミ・銅地金高騰に伴う製品価格上昇でカバーした形。 連結売上高は圧延品が 6%増、 伸銅品が 18%増、 加工品他が 28%減。 圧延品・伸銅品は地金価格上昇による増収、 加工品は日本トレクス分のマイナス。
 アルミ板は缶材が若干減少するなど低調だったが、 得意先企業の海外生産シフトに伴い、 同社が得意とする高付加価値の印刷板・エアコン用フィン材の輸出が増加した。 単体の出荷量は、 板・押出・伸銅品とも微減。 板類の出荷構成は缶材 38% (前年同期 41%)、 自動車・二輪車用 11% (12%)、 箔地 8% (7%)、 印刷板 6% (6%)、 建材 3% (3%)、 エアコン用フィン材 5% (5%)、 内需その他 10% (10%)、 輸出 19% (16%)。
 また、 押出は自動車・二輪車用 52% (49%)、 機械 15% (17%)、 電機 4% (5%)、 建材 6% (7%)、 その他 23% (22%)。 自動車・二輪車用が半分以上を占めた。 この分野は二輪車用は低調だったが、 自動車熱交用の多穴管の需要が内外で旺盛だった。


住軽金、 07 年度業績を下方修正
 住友軽金属は 07 年度の連結業績予想を下方修正した。 売上高は当初予測比 200 億円減の 3,300 億円、 営業利益 15 億円減の 195 億円、 経常利益 10 億円減の 145 億円、 最終利益 10 億円減の 55 億円。 前期比で見ると売上高 5.5%減、 営業利益 3.1%減、 経常利益 3.5%減、 最終利益 24.1%減の減収減益予想。
 経常は前期比 5 億円の減益となる。 増益要因は@棚卸資産評価益 20 億円、 A値上げ効果 5 億円の計 25 億円。 減益要因は@原燃料価格上昇分 8 億円、 A償却法変更 15 億円、 Bその他 7 億円の計 30 億円。
 通期の製品出荷計画はアルミ板 33.8 万d (前期 33 万d)、 押出材 4.7 万d (4.9 万d)、 伸銅品 6.1 万d (6.2 万d)。 アルミ板は高付加価値の印刷版・フィン材などが堅調に推移するが、 押出・伸銅品は上期の低調が続く。


古河スカイ、 上期は増収減益
得意分野の厚板・店売りが低迷
 古河スカイの 07 年度上期連結業績は、 地金の高値継続などから売上高は 1,240 億円・5.5%増となったものの、 営業利益は 65 億円・14.6%減、 経常利益は 56 億円・19.5%減と増収減益となった。 半導体製造設備が調整局面にあって得意として、 利益率も高い一般厚板、 店売りなどの減産が響くとともに、 税制改正による償却費増 8 億円も足を引っ張った。 しかし、 下期は各分野で回復が顕著なため、 通期は期初予想を据え置いた。
 売上高は 5.5%の増収だが、 総出荷量は 21 万 7,000dで同 2.3%の減少。 分野別では、 LNG タンク向け厚板・印刷用板・自動車熱交など優位品の出荷は好調で、 缶材も伸びた。 しかし、 収益性の高い半導体製造装置用一般厚板・コイルセンターや流通向け汎用材、 昭和電工の一般箔からの撤退による箔地などが減少した。 営業損益は 11 億円の減益だが、 増益要因としてコストダウンと生産性向上 8 億円があったものの、 販売数量減と品種構成差 7 億円、 税制改正を含む償却費増 10 億円、 原油・原材料の価格上昇 2 億円の計 19 億円の減益要因が厳しかった。
 下期は顕著な回復を見込む。 NSP による基準地金価格が 40 円下落する 12 月までは買い控えがあるものの、 年明けから厚板・店売り・建材など一般材は急速に回復する確かな手応えがあるという。 また、 得意の缶材・厚板・印刷用板などがアジア市場で大きく伸びる見通し。 同時に、 福井工場に建設した大型のスラブ鋳造機がフル稼働となり、 新設のスクラップ溶解炉の稼働と合わせ、 コストダウンに大きく寄与する。 これまで月間 5,000〜6,000dを購入していたが、 08 年 2 月から全量自社鋳造スラブに転換する。
 この結果、 通期の連結業績予想は売上高 2,500 億円 (前期比 4.3%増)、 営業利益 170 億円 (3.3%増)、 経常利益 155 億円 (2.9%増)、 純利益 88 億円 (1.2%増) に据え置いた。


三和HD、初決算は増収営業増益
国内子会社と ODC が好調
 三和ホールディングスの新体制後の初決算となった上期の連結業績は 4.9%の増収、 営業利益は 52 億円で 1.5%の増益となったが、 経常利益は 53 億円で 1.0%減、 最終利益は 28.5 億円・19.1%減となった。 国内の建材各社が建築確認遅延問題で軒並み業績が低迷する中、 増収営業増益をクリアした点は立派。 日米欧及び中国の世界 4 極で事業展開し、 局地的なリスクを回避できる体制を築いた高山俊隆社長のグローバル作戦は、 成果を上げつつある。
 子会社別の上期業績と通期見通しは下表の通り。 三和シヤッターは重量シャッターやビル・マンションドアが好調で前年同期比 1.1%の増収ながら、 鋼材値上げなどで営業微減益。 通期は建築確認の混乱を織り込んで微減収・営業利益横這いを想定。 国内子会社は昭和フロント・三和タジマが増収増益。 通期では売上高 299 億円・10.3%増、 営業利益 16 億円・15.6%増の大幅増収増益を見込む。
 海外子会社のうち米国の ODC は住宅着工減などによりドルベースで 12%の大幅減収。 営業収益はコスト低減で増益を確保した。 通期は大幅減収ながら経営コスト削減で増益を計画する。 欧州の NF は堅調な需要を背景に大幅増収となったが、 ハーマン社などとの競合が激しく大幅減益。 通期も増収ながら営業利益は 1/2 以下に落ち込む。


リョービ、 上期は増収減益
主力のダイカストが 21%減益
 リョービの 9 月中間連結決算は 4 期連続の増収となったが、 償却費の増大などで営業利益 9.5%減、 経常利益 11.4%減、 最終利益 21.5%減となった。 ただ、 営業利益率は 6.9% (前年同期 8.3%) と高水準を維持する。
 主力のダイカスト事業は欧米の自動車メーカー向けが堅調。 印刷機器は国内の減収を欧米・アジア向け輸出でカバーした。 住建機器はパワーツール・建築用品とも若干の増収。
 収益面では増収効果やコストダウン・生産性向上などのプラス要因があったものの、 償却費負担増などをカバーできなかった。 分野別では印刷機器・住建機器が増益となったものの、 主力のダイカスト事業の21.2%減益が響いた。
 通期も 3.8%の増収ながら、 営業利益 21.5%減、 経常利益 27.0%減、 最終利益 19.7%減の増収減益予想。 原油や原材料価格のさらなる高騰、 米国経済の減速懸念の強まり、 為替変動や利上げ予測など先行きリスク要因が少なくなく、 不透明という。 そのなか税制改正や設備投資増加に伴う減価償却が大幅に増大、 収益を圧迫する。


日本アルミが業績上方修正
売上 275 億円、 営業益 4.8 億円
 日本アルミの 07 年度上期連結業績は売上高 104.81 億円で前年同期比 18.9%増となったが、 営業損益で 3.72 億円、 経常損益で 4.96 億円、 最終損益で 6.99 億円の損失を計上した。 工業製品事業は大型空気輸送設備、 海上冷凍コンテナ部材、 土木関連が好調に推移し、 売上高 37%増の 63.14 億円、 営業利益 3.1 倍増の 2.35 億円となった。 一方、 建築金物、 トラック・自動車材は堅調だったが、 店装品などが減収となり、 売上高 41.67 億円、 営業損益 3.07 億円の損失を計上した。
 ただ、 通期の予測は売上高 275 億円、 営業利益 4.8 億円、 経常利益 2.4 億円、 最終利益 0.3 億円に上方修正した。 下期の完工工事を大量に抱えているので、 大幅に改善する。 「売上が期初予想を 10 億円上回るので、 各利益は好転する。 貸倒引当金などを計上するので、 最終では減益を予定」


「茨城マグネシウム工業会」 が発足
41 社が結束、 最大の Mg 基地へ
初代会長に宮本氏、 「仕事招致第一」

 茨城県内の金属関連企業 41 社 (正会員 37 社、 賛助会員 4 社) は 15 日、 水戸市内のホテルに約 100 名を招き、 「茨城マグネシウム工業会」 の発会式を開催した。 各社が得意技術を持ち寄ったり、 情報を共有することで 「マグネシウムの茨城」 のブランド確立を目指す。

 同工業会の初代会長には葛{本製作所の宮本隆社長、 副会長には潟Tンキャストの毛利幹仁社長と巨エ原実業の清原光浩専務が就任した。
 同工業会は 03 年に創設した 「茨城マグネシウム連携体」 を発展的に解消、 法人格を持つ工業会組織に改組した。 その設立目的には 「軽量で環境に優しいマグネシウムの普及を広く図るとともに、 会員の業務発展、 技術力の向上及び会員間の互恵形成を促進し、 『マグネシウムの茨城』 のブランドの構築」 を掲げる。 具体的には@ホームページに受発注掲示板を掲載するなど受注活動、 A表面処理を含む加工技術の研鑽、 B軽量・環境対応金属素材としての新規製品開発、 Cマグネシウム賢人会などの定期シンポジウムの開催など普及活動、 D会員への情報提供──など。
 地元中小がマグネ製品の事業化に必要な鋳鍛・圧延・加工・表面処理などの各技術を提供したり、 共同で新規開発し、 軽量化や環境対応を急ぐ自動車や IT、 電機などからのマグネ需要を取り込むことが狙い。 茨城県工業技術センターなど茨城県もこれを側面から支援する。 金属素材の中で成長が期待されるマグネ産業の拡大を狙って新潟県や熊本県でも関連地元産学官が結束しているが、 工業会組織に発展したのは茨城が初めて。
 角田副知事・マグネ協会小原専務が祝辞
 発会式では宮本会長が 「『マグネシウムの茨城』 は国内でやや有名になったが、 有名無実では何もならない。 この工業会は仕事を呼び込み、 儲かることを第一にしたい。 ただ会員にはマグネ事業へのモチベーションに格差が見られる。 現実社会は物凄いスピードで変化している。 その中で事業を拡大するにはマイナス思考は絶対駄目だ。 中国ではアルミは 20 世紀の事業、 マグネは 21 世紀の事業というそうだが、 会員一同が結束して 21 世紀の夢の事業を実現しよう」 と力強く抱負を述べた。
 また、 来賓として招かれた日本マグネシウム協会の小原久専務理事は 「マグネの世界需要は現状 70 万dだが、 10 年後には 400 万〜500 万dに拡大するという予測もある。 マグネは金属の中で最もエコな素材。 会員各社が協力してマグネの未来を切り拓いてほしい。 協会もそれを全面支援する」 と祝辞を述べた。 祝賀会では角田芳夫茨城県副知事が 「鹿島工業団地などの誘致企業はいま好景気に沸く。 環境対応素材のマグネ産業を茨城の代表産業に育てて下さい」 とエールを贈った。


「アルミ MQL 加工」 が優秀賞
潤滑油の商品化も、 新日本石油
 新日本石油はこのほど、 同社が発表した研究論文 「アルミ MQL 加工における雰囲気ガスの影響に関する研究」 が、 日本機械学会機素潤滑設計部門の優秀賞を受賞したと発表した。 同論文は今年 7 月に開催された部門講演会で発表、 選考対象案件約 160 件の中から同賞に選ばれた。
  「アルミ MQL 加工」 はミスト状の切削油剤を金属加工部に噴霧する加工法。 油剤使用量を従来法に比べ 1/20 から 1/50 に大幅低減した極微量油剤潤滑加工法で、 環境にも優しい。 工作物や切り屑に付着する油剤量も極僅かとなるので、 油剤落としの洗浄工程も簡略化できる。
 同社はこの技術を用いた金属加工潤滑油の商品化も実現、 「ユニカットジネンシリーズ」 として内外で販売を開始した。


YKK AP が耐風圧カーポート
耐風圧強度 46m/秒実現
 YKK AP は耐風圧強度に優れたスチール折板屋根構造のカーポート 2 種を発売した。 商品名は 「レオンポート」 と 「レオンポート DX」。 業界最高水準の耐風圧強度 46m/秒を実現した。 台風被害の多い九州・四国及び本州の太平洋沿岸など強風地域でも安心して使用できる。 初年度販売目標は 1 億円。
 1 台用 (幅 3,102o) と 2 台用 (幅 5,502o・6,102o) があり、 高さは普通車用 (高さ 5,446o) とハイルーフ車用 (高さ 5,956o) を用意。 鼻隠しと柱のデザインは 2 種。 本体カラーはブラウン・カームブラック・プラチナステンの 3 色。 これらを自由に組み合わせて、 好みのカーポートにカスタマイズできる。
 部材標準価格は写真で 35 万 1,500 円 (スチール折板屋根葺き材、 施工費・搬入費・消費税別)。


マグネ協会が技術セミナー
「異種金属と Mg 合金接合技術」
 日本マグネシウム協会は 11 月 30 日(金)午前 10 時から、 東京都港区芝公園の機械振興会館で技術セミナー 「異種金属とマグネシウム合金の接合技術」 を開催する。 マグネシウム展伸材の利用が広がるにつれて接合技術の重要性が高まっており、 技術開発も進んでいる。 今回は産学の第一人者がその最先端技術を紹介する。
 講演内容は、 ▽マグネ合金の接合について (日本大・朝比奈敏勝教授) ▽SUS を主体としたマグネ合金と異種材料の接合について (日本大・加藤数良教授) ▽マグネ合金と鋼板の接合技術 (新潟大・渡辺健彦教授) ▽マグネ合金とチタンとの圧延接合によるクラッド材の創製 (大阪府立大・井上博史准教授) ▽マグネ合金と樹脂の接合 (大成プラス) ▽接合技術を用いたマグネ合金製大型製品の開発 (兵庫県立工業技術センター・有年雅敏) ▽マグネ合金とアルミ合金の接合技術 (長岡工業高専・宮下幸雄准教授)。
 定員 50 名。 参加費は会員 2 万円、 非会員 3 万円。 申込みは同協会セミナー事務局まで (FAX 03-3538-0233)。








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