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NO.1881(2008年3月31日号)


フルチュウ、事業再生にメド
07年度営業益3億、4期ぶり黒字
10年度売上170億円、利益率4%目標


 「フルチュウ」は企業再生ファンド「日本みらいキャピタル」の子会社で、07年3月、経営不振に陥っていた旧古河アルフレックスの資産を継承して設立。再生ファンドの主導で会社再建に取り組んでいた。旧古河アルフレックスは07年3月末に日本みらいキャピタルが運営する企業再生ファンドの子会社「フルチュウ」に事業を譲渡。旧会社は3月初め、特別清算手続きが裁判所に受理されており、07年度内にも完了する見込み。

 収益面では07年3月期は売上高154億円(06年3月期110億円強)、営業損益は清算関連費用を除いて、5,000万円強の赤字(同6.8億円の損失)、経常損益は1億円程度の赤字(同8.3億円の損失)となった。売上高は二輪車のフレーム部品、エスカレーターステップなど新規ユーザー向けの供給が増えたことで4割の増収。売上増による固定費吸収効果で06年の夏以降、単月ベースで黒字化、赤字幅も大幅に縮小した。
 新生「フルチュウ」の初年度に当たる08年3月期決算は売上高165億〜166億円。営業利益は3億円程度。経常利益は1.5億円とともに4期ぶりに黒字化する見込み。最終損益も特損処理は数千万円にとどまるため、黒字計上となる。
 09年3月期予想は現在策定中だが、エスカレーターステップの売上減を見込んで、売上高は155億〜160億円と若干の減収を計画。ただ、収益体質改善による利益率アップを踏まえて、営業利益は3億円を目指す。
 中長期的な目標は、現状の生産能力を活かすために必要な売上高160億〜170億円の確保とともに、大手同業他社並の5〜7%の営業利益率の実現。2011年3月期には売上高170億円、営業利益率4%の達成を狙う。「投資ファンドとしては、後5〜6年間の運用残存期間中に営業利益率が5〜7%を計上するように企業価値を高め、その間にEXIT先(事業の譲渡先)を求めていく」としている。
 事業運営の基本方針は「現在の設備をいかに活用して、製造ラインの効率を高めるか」が主眼。大型のライン新設は目下のところ計画はない。ただ、金型の一部修正や補修は社内への取り込みを狙って、スキルを習得していくことを検討中。


1月Alダイカスト生産、8%増
自動車向け9%増、二輪8%減
 経済産業省の非鉄金属製品統計によると、08年1月のアルミダイカスト生産量は9万1,078d、前年同月比8.0%増となった。金額ベースでは同10.9%増の548億8,000万円。d当たり平均単価は60.26万円で、1年前の58.66万円に比べ2.7%アップした。 
 需要分野別では84%を占める自動車向けが7万6,804d(前年同月比9.4%増)・438億2,900万円(同13.4%増)となり、引き続き牽引役を果たした。d当たり単価は57.7万円で、07年1月の55.05万円からは3.7%上昇した。一方、対米輸出が不振な二輪車向けは3,783d、同7.8%減とマイナス基調が続いている。


1月のアルミ建材出荷、4%減
住宅用17%減、ビル用も12%減
 08年1月のアルミ建材生産・出荷統計(確報)によると、総生産量は前年同月比5.2%減、総出荷量は同4.3%減となった。出荷金額は437億7,000万円、同2.3%減で、d当り平均出荷単価は151.2万円で前年同月の147.8万円に比べ2.3%アップした。
 このうち、サッシは生産が4.4%減、出荷が4.5%減。住宅向けが出荷が16.5%減と引き続き大幅減を記録。出荷単価は141.5万円で、前年同月137.9万からは2.6%上昇。ビル向け出荷も2桁の落ち込みで、改正建築基準法の影響が本格化し始めた。出荷単価は167.7万円と、前年の168.1万円に比べ0.2%ダウンした。


文化シヤッターが製品価格値上げ
シャッターで10〜15%、4月から
 文化シヤッターは18日、鋼材、アルミ、ステンレス、樹脂などの原材料価格の高騰を受け、販売価格を値上げすると発表した。対象は同社グループで販売する製品で、値上げ幅は各種シャッター(窓シャッター含む)10〜15%、各種ドア15〜20%、パーティション10〜15%、エクステリア製品5〜10%。4月1日受注分から実施する。
 原材料価格が05年3月期以来、4年連続して急騰してきた中で、生産性の向上とコストダウンに取り組んできた。しかし、シャッター、ドア、その他建材製品の生産に伴うコストアップは自助努力による吸収は限界に達している。09年3月期も引き続きな大幅な材料価格の上昇が避けられないとしている。


双日、UAEのAl製錬プラント向け
電解用整流設備など200億円受注
 双日は12日、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ・アルミニウム社(本社:アブダビタウィーラ地区)から、同社がアブダビで建設中の世界最大のアルミ製錬プラント向けに、電解用整流設備と変電設備を受注したと発表した。受注金額は約200億円。エミレーツ・アルミニウム社は年間約140万dのアルミ地金生産を計画。
 アルミ製錬プラントの心臓部を構成する電解用整流設備は富士電機システムズが設計、供給、据付工事を行う。双日はアブダビにプロジェクトオフィスを設立して駐在員を配置、富士電機システムズとともに、プロジェクト全体の取りまとめとと進捗管理を行う。
 エミレーツ・アルミニウム社はアブダビ首長国政府とドバイ首長国政府系の企業がそれぞれ50%ずつ出資した会社。ロシア、中国、カナダ、オーストラリアなどの主要生産地に加えて、天然ガスが豊富でアルミ製錬に必要な電気代が安価な中東地域がアルミ地金の新たな生産地として注目を集めている。
 双日は富士電機システムズと共同で、03年に中東のバーレーンでアルミ製錬所向けの変電設備ならびに整流器を約150億円受注したことがある。バーレーン、UAEでの実績をもとに、今後も中東でのアルミ製錬設備の受注を目指す。


米で新型ガレージドア開閉機
中国調達で低価格帯、三和HD
 三和ホールディングスの連結子会社である米国ODCは低価格帯の新型ガレージドア開閉機を発売した。ローエンドに位置付けられる機能を絞り込んだ開閉機を開発、中国から調達する。競争の激しいゾーンに価格競争力のある製品を投入することで、シェアのアップと利益の確保を狙う。
 まず3月からチェーンドライブ式開閉機を、次いで7月からベルトドライブ式開閉機を各1タイプずつ発売する。初年度販売目標は10万台。同開閉機の投入により08年度に約280万jのコスト削減効果を見込んでいる。 
 ODCでは06年6月、中国からの部材調達、一部の開閉機の中国メーカーへ生産委託を目的に上海事務所を設立。ODCの中国調達のサポートに加え、三和グループの共同調達によるシナジーを追求する。


神戸製鋼がアルミ厚板新製品
5052一般材の特性レベルアップ
残留応力半減・平坦度倍に向上
 神戸製鋼は17日、従来の5052一般材をレベルアップしたアルミ厚板「アルジェイド」を開発、5月から生産を開始すると発表した。全国の流通店経由で販売する。主な最終用途は、半導体・液晶製造装置、太陽電池パネル製造装置、ロボット・精密機械など。
 店売りアルミ厚板の国内市場は月3,000〜4,000d程度と想定され、神鋼は30%程度のシェアを占めている。半導体・液晶製造装置分野で使用されるアルミ厚板は機械加工時の寸法精度確保や生産性向上などのニーズがさらに高まっており、アルミ厚板の表面品質・寸法公差・平坦度の向上、板内部の残留応力の低減がこれまで以上に求められている。
 今回発売する「アルジェイド」はこうしたユーザーニーズを取り込んで開発したもので、ハイエンド分野向け高精度アルミ厚板「アルハイス−U」に次ぐ高機能商品。現在、市場で幅広く利用されている5052一般材をレベルアップさせた商品で、平坦度は板厚4〜30oの範囲で0.6o/mと、5052一般材の1.2o/mに比べ2倍に高精度化。また、独自の熱処理ノウハウにより板内部の残留応力も2分の1に低減した。
 価格は製品の機能向上に伴い、5052一般材と比べて加工賃で5〜10%高く設定する。製品サイズ(幅×長さ)は1,000×2,000o、1,250×2,500o、1,525×3,050oの3種類。
 現在、神鋼の店売りアルミ厚板の生産量は月1,000〜1,300d。そのなかで、「アルハイス−U」が300d弱を占め、残りが5052一般材。同社では厚板の大半が「アルジェイド」に切り替わると見ている。


トステムが住まいのポータルサイト
 トステムはこのほど、同社が運営する全国約500社の住宅資材販売店で構成する「トステムフランチャイズチェーン(TFC)」が住まいに関するポータルサイト「TFC-NET」(http://www.tostem-fc.jp/)を立ち上げた。
 地域に密着した住まいの情報を発信していくもの。加盟店の会社概要、施工例紹介、工務店・建築会社紹介、商品情報などをはじめ、住まいに関する様々な困りごとに役立つ様々なコンテンツを地域別に公開している。


軽圧品流通市況、横ばい基調
 全国軽金属商協会・市場調査委員会によると、2月末の軽圧品流通市況調査は東京地区で52S板が前月末比5円高、快削棒が10円安となったのを除いて横ばい。大阪・中部地区は全品種が変わらずであった。
 1〜3月期のNSP地金価格は10〜12月比50円安の330円となったが、4〜6月期は40〜50円の上昇となる見込み。


TOEXがファンクションユニット
150o幅のスリムでコンパクト
 TOEXはこのほど、ファンクションユニット「ウイルモダンスリム」を新発売した。敷地の狭い住宅や、外構にフェンスや門扉を付けないオープンスタイルの住宅向けにサイン、ポスト、照明、インターホンなどを一体にした機能門柱。新製品はわずか150o幅のスリムでコンパクトなデザインを実現した。
 アルミ形材製の本体カラーは6色、サイン(表札)の素材はガラス、ステンレス、鋳物、江戸硝子、備前焼など6タイプ。2つを組合わせた二世帯用や門扉を吊ることのできる門柱仕様も用意。省エネで長寿命なLED照明を組み込んで、夜間は防犯に効果的な常夜灯とすることもできる。
 価格は写真左(カラー:ナチュラルシルバーF)で15万4,665円、同右(ラスターブラック)で17万6,715円。初年度販売目標は約3億円。


三和HD、重量ドアの林工業取得
 三和ホールディングスは18日、3月31日付けで林工業(新潟市、資本金3,300万円、07年3月期売上高8.59億円)を100%子会社とすると発表した。重量ドアメーカーとして高い技術力を持つ同社をグループ企業とすることで、高品質重量ドアの供給基盤を強化する。


YKK APが全開放引込み窓
大開口で風を最大限取込み
 YKK APは新鮮な風を家いっぱい取り込める大開口を演出する窓、「ワイドスライディング全開放引込み窓」を4月1日より発売する。快適で環境負荷の少ない住まいづくりのための新しいコンセプト「グリーンブリーズ」商品の一環。
 障子が袖壁部分に引き込まれ、全開放することで眺望も動線も遮らない大開口を演出する。全開放時に障子と障子の間に引き残しを設定し指ばさみを防止。閉めた時の意匠性にもこだわり、召合せをスリムなR形状とし、戸先に鎌錠を隠したコンシールドタイプの採用など細部にこだわった。
 価格は写真の施工例で45万4,700円。初年度売上目標は1億3,000万円。


三和シヤッター社長に仲野氏
専務生産本部長に西村氏
(4月1日)【三和ホールディングス】専務執行役員兼三和シヤッター工業取締役、中屋俊明▽常務執行役員ODC担当、福田真博▽執行役員総務部長、吉武裕二▽同TCR統括部長、上枝一郎▽TCR統括部顧問、佐藤研治▽同担当部長、高山靖司▽同、山本修▽同、溝川憲治▽企画管理部長、石倉俊文【関係会社社長】昭和建産、新舘清隆▽吉田製作所、神前忠男▽メタルワーク関西、富田厚▽林工業、石岡徹▽ビナサンワ(ベトナム)、藤澤道忠▽三和シヤッター(香港)総経理、国広晶紀【三和シヤッター工業】代表取締役社長・執行役員社長、仲野幹男▽取締役専務執行役員生産本部長、西村伸一郎▽同営業本部長、安武信雄▽メンテ・サービス事業本部長、取締役常務執行役員疋田守▽取締役常務執行役員事業戦略推進本部長、市岡次郎▽取締役営業本部副本部長兼営業推進部長、常務執行役員長野敏文▽同常務執行役員強化事業本部長、藍原安吉▽取締役兼三和HD専務執行役員、中屋俊明▽監査役、福地成治▽監査役退任、南本保▽生産本部副本部長、常務執行役員白井正隆▽同開発技術部長、執行役員上野耕平▽営業本部中国営業部長、執行役員中村一秀▽強化事業本部副本部長、執行役員山地弘道▽執行役員生産本部工務部長、瀬戸達雄▽同営業本部中部・関西営業部長、荒木茂実▽同事業戦略推進本部事業企画部長兼商品戦略推進室長、村上光成▽同営業本部首都圏ビル営業部長、矢野一成
 仲野幹男(なかの・みきお)氏:1945年(昭和20年)7月7日生れ、62歳▽69年5月三和シヤッター工業入社▽02年4月住宅建材カンパニープレジデント▽同6月執行役員▽04年4月常務執行役員▽05年10月西日本カンパニープレジデント▽06年4月上席常務執行役員▽同6月取締役▽07年10月取締役専務執行役員西日本カンパニープレジデント▽08年4月代表取締役社長・執行役員社長就任予定


文化シヤッターの人事異動
(4月1日付)執行役員製造企画部長、小野丈夫▽同御着工場長、竹下真和▽同品質保証部長、矢吹義夫▽同住宅建材支社長、北村一正[本社]人事総務部長、市川治彦▽人事総務部人材開発室長、古澤道夫▽マーケティング部保守・点検事業推進室長、益子隆雄▽海外部長、菊谷一夫▽商品開発部長、嶋村悦典▽商品開発部開発技術室長、角沢正行▽製造企画部生産技術室長、小沢力▽購買部長、岡本一也[北海道支社]営業推進部長、森谷忠▽設計工務部長、砂土居裕司▽千歳工場長、出町暢之[東北支社]業務部長、江利川康弘▽営業推進部長、高橋賢司▽仙台支店長、原康男▽秋田工場長、松田紀之[関越支社]群馬支店長、恒松晃[首都圏支社]業務部長、岡田清司[中部支社]静岡支店長、泉谷透▽名古屋工場長、鶴見昭夫[関西支社]業務部長、松岡功▽営業推進部長、小林康晴▽市場開拓部長、小野隆弘▽京都支店長、天野治▽姫路工場長、佐藤栄一朗[中四国支社]中四国支社長、小倉博之▽設計工務部長、角藤寿彦[九州支社]九州支社長、坂本龍二▽九州特販支店長、小梅枝博美▽福岡工場長、蓮見幸夫[特販支社]営業開発部長、水田幹郎▽ドア管理部長、石田宏之▽北関東特販支店長、青柳武士▽東京特販支店長、大内修一[住宅建材支社]特需支店長、江刺広昭▽東部支店長、小竹行之▽中部支店長、二村一久▽西部支店長、村井隆司郎[工場]小山工場長、山口悦男▽掛川工場長、高橋幹夫 


日本アルミの滋賀・安城製造所
押出・加工を多彩な製品に横展開
輸送機器など精密加工に注力
 根幹技術を育て、多彩な商品群で横展開
 滋賀製造所(滋賀県湖南市小砂町1、松尾剛志製造所長=写真)は1969年(昭和44年)建設。敷地面積5万7,440u、建屋面積1万5,824u、従業員数約230名。接合技術を駆使して、アルミ、ステンレス製の溶接構造物の加工・組立を行っている製缶工場と、アルミ製の納骨壇を中心とした寺院仏閣などへ納入する製品の加工・組立を行う工芸工場で構成する。生産高は06年度119億円に対し、07年度は130億円を超える見込み。
 生産品目はアルミでは冷凍海上コンテナ用ケーシング、粉粒体用コンテナ、合成樹脂用サイロ、液体危険物タンクなど、ステンレスでは医薬品用コンテナ、原子力発電所ライニング工事、ステンレスプールなど、多種多様にわたっている。
 加工ではウォータージェット切断機を用いて切断品質の向上と納期短縮を実現しており、母材は最大幅2,000o、長さ4,000o、厚さ200oまで可能。その他、必要によりNCタレットパンチによるプレス加工、最大幅4mのシャー切断、最大幅5mのブレーキ曲げ、最大幅6mの端曲げ、最大幅6mのロール加工などが施される。
 コア技術として、アルミ溶接は基本技術だが、TIG溶接、MIG溶接の自動溶接も行う。また、超音波はんだ接合技術は異材質の接合も可能で、大型ヒートシンクなどの構造物に使用している。真空ろう付けは新幹線の筐体に使われているアルミろう付けハニカムパネルがある。銅のろう付けでは大型の熱交換器を生産している。スタッド溶接材は原子力発電所のプールの下地材。アルミと銅のフラッシュバット溶接法、共晶反応を利用した銅とアルミの共晶圧接法など異種金属接合技術にも高い実績を持つ。
 一方、工芸製品は独自の技術を誇るNUR塗装のラインで、伝統の漆調の光沢を持った美しい表面処理が施される。設計図に従ってシャー切断、NCタレットパンチ加工、ソー切断、プレス加工、ブレーキ曲げなどの加工を経て組立工程へ送られる。
 同社は明治34年に高木アルミニューム製造所として創業、大正3年にはわが国最初のアルミ溶接を開始、昭和7年には理化学研究所発明による陽極酸化皮膜の特許権を得て、これもわが国初めてのアルマイト工場を設置しており、それらが技術の根幹。「根幹となる縦の技術を活かして、なおかつ広げる一方、ユーザーのニーズに応じて、その技術を使った製品を横方向に展開するという血は脈々と受け継いでいる」(大中隆専務執行役員技術本部長)という。
 押出生産量月700d、輸送関係250d
 安城製造所(愛知県安城市北山崎町築地1、名谷和己製造所長=写真)は昭和38年の開設。敷地6万6,441u、建屋面積2万9,959u、従業員数760名。押出工場とアルマイト処理・加工拠点となっている。押出機は1,500dの6インチプレスと2,500dの8インチプレス。アルマイト設備は横吊り型で幅6m、深さ3m、最大製品長さ6.1m。形材以外に板製品、二輪車用マフラーなどの加工部品の処理に対応可能となっている。
 同製造所の生産高は06年度75億円、07年度見込み76億〜77億円。押出形材の生産量は月700dで、内訳は6インチが320〜330d、8インチが370〜380d。6インチプレスでは自動車用部材など、寸法精度、外観品質が厳しい製品を量産。8インチプレスはコイル巻き取り機を併設し、6o径の丸棒や冷蔵庫のエバポレーター用配管材などを生産している。
 生産品目は同工場のメーンであるエキスパンションジョイントカバーなど金物建材の他、自動車部材関係、二輪車部品、トラックの架装部材などを生産。日本トレクス向けに、同社が使用するアオリ以外のトラック架装部品向け形材をすべて納入(ピーク時で月120d程度)。リアドアは形材を勘合、部品付けして納めている。トレーラー部材用の素材を提供するため、通常長さ6mまでの熱処理を13.5mまで可能にしている。また、四輪車のドアサッシ向け形材や、トノカバー、サンシェード用フレーム、ルーフラックなどを供給。
 生産量700dのうち材料販売が300d、自社消費分も含めた加工品が400d。そのうち乗用車、二輪、トラックを含めた輸送関係が35%の250d近くに達している。4月には現在、滋賀製造所で二輪車マフラーの加工もアルマイト加工を行っている安城に移管して生産効率を上げる。立地条件を考えると、自動車部材など精密加工への展開を進め、「将来的には輸送関係で安城製造所の中で50%を目指したい」(渡邉社長)。
 渡邉社長「次の成長に向けてこぎ出す時期」
 「滋賀、安城両製造所ともに、この2〜3年で受注の内容が大きく変化、用途も非常に多岐にわたってきている。『複合生産』という工場運営の難しさを感じているが現在、役員、社員ともに全社を挙げて改善に取り組んでいる」
 「社長に就任して以来約3年8カ月経過したが、我が社の『負の部分』についてはかなり整理が出来てきた。日本アルミは日本のアルミ業界のパイオニアであると思っており、もう一度日本アルミが光を発するためにはがんばっていこうと現在取り組んでいる。体質改善は当初考えていたよりもかなり時間がかかったが、少しずつ、着実に変わりつつある。道半ばだが、やっと成長に向けてこぎ出せるかなというところである」







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