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NO.1925(2009年02月16日号)
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フルチュウ
売上4割減の75億円でも黒字へ
月1億円の固定費減で収益体質強化
投資ファンドの日本みらいキャピタル(安嶋明社長)主導で経営再建中のフルチュウ(川崎市、辻田耕児社長)は昨年秋以降の急激な受注減に対応、固定費削減を柱とした収益体質の強化を急いでいる。
同社は事業譲渡初年度の08年3月期の業績が売上高166億円(07年3月期154億円)、営業利益4億円(同5,000万円の損失)、経常利益3億円(同1億円の損失)と4期ぶりに黒字化。ただ、08年9月中間では売上高60億円、営業損益約1億円の赤字で、前年度上期(売上高84億円、営業利益2億円)に比較して約25%の減収、営業損益で約3億円悪化した。
上期は昨年10月以降の急激な受注落ち込みの影響はまだなかったものの、前年度の売上を大きく押上げたエスカレーターステップの大型受注が完了。加えて、半導体用クリーンルーム向けフロア工事が一部見送りになったことで、受注減に伴う固定費負担増が収益を圧迫した。
「昨年9月まではまだ、急激な売上減はなかったものの、10月は約10億円と前年同月比約25%減。さらに、12月は6億円と急速に落ち込んだ」(矢内大介取締役財務・経理担当執行役員)。
今年1月の売上も12月とほぼ同水準となった模様で、現時点では下期の売上高は40億円程度と予想。09年3月期通期は売上高約100億円と前期比約4割の減収を想定している。営業損益は下期2億円、通期3億円のそれぞれ赤字を見込んでいる。
同社は昨年8月以降、先行きの需要低迷を見越して、派遣社員削減などのコスト低減策に着手。人員合理化に加え、役職員の賃金カット・賞与返上、委託業務の内製化などにより月間で約6,000万円の固定費削減を実現した。年間で約7億2,000万円利益を押上げる効果があり、今年1月以降の収益にフルに効いてくるという。
派遣社員は昨年4月時点の約100人を11月末でほぼゼロにしたほか、嘱託社員や顧問、事務系派遣社員約70人が12月末で退職。昨年4月頃には非正規社員を含め約400人の従業員が現在は正社員230人だけとなっている。
さらに、昨年12月から全社一斉の一時休業による生産調整を実施。年末年始休みを拡大する形で12月に2日、今年1月に2日実施。2月からはダイカストライン、加工ラインなど部署毎に時期をずらして、5〜6日間程度休業する。
売上構成比は約70%がトラックなど自動車関連・その他、12%がエスカレーターステップ、10%がフロア、二輪車フレーム部品約8%。「いずれの分野も軒並み売上が落ち込んでいるが、ユーザー自身どこまでで下げ止まるか分からない状況。部品発注の内示が確定に至る時点でどんどん下方修正される」(矢内取締役)。
同社は昨年秋口までは固定費吸収を狙って客先内示に合わせて先行製作。その分が現在の在庫増となって経営を圧迫。このため、現在、小山工場のダイカストラインは「土日も含めた2直による24時間操業を100%とすると、在庫調整もあって現在の稼働率は30%程度」という。
来期以降の売上の予測は困難なため、最善でも足元の売上の横ばいか、若干の減少も想定して収益計画を策定。月間で6億円、年間で75億円の売上高でも営業損益段階で赤字転落を回避する収益体制の構築に取り組んでいる。
固定費削減は既に実現している月間6,000万円に3,000万〜4,000万円上積みし、1億円程度とする。減価償却費の負担減で1,200万〜1,300万円の軽減が見込めるほか、遊休設備の除却による償却費圧縮を進める。さらに、一部ダイカスト設備の撤去、加工ラインのダイカスト工場への移設などによる生産効率向上、横持ち運賃の軽減などを検討している。
08暦年のアルミ二次合金出荷
7.3%減、7年ぶりのマイナス
日本アルミニウム合金協会がまとめた08暦年のアルミ二次地金・同合金地金需給統計によると、生産は前年比7.5%減の105万6,210d、出荷は7.3%減の106万7,655dとなった。マイナスはともに01年以来7年ぶり。
部門別出荷量では、鉄鋼向けが1.0%増となったのを除いて、軒並みマイナスを記録。とりわけ、ダイカスト向けは8.3%の落ち込みとなった。
12月出荷、過去最大の41%減
30年ぶりに5万d台の水準に
12月単月では生産が5万3,125d(前年同月比46.5%減)、出荷が5万7,735d(40.6%減)となった。マイナスは生産が7ヵ月連続、出荷が5ヵ月連続。マイナス幅はいずれも過去最高(出荷が75年2月の37.3%、出荷が同3月の35.3%)を上回った。また、生産・出荷の5万d台は生産が79年2月の5万8,618d、出荷が同1月の5万4,119d以来、約30年ぶりの水準。
部門別出荷は、▽鋳物:1万4,042d(前年同月比47.0%減)▽ダイカスト:3万5,120d(41.5%減)▽板:4,687d(23.1%減)▽押出:3,389d(40.5%減)▽鉄鋼:2,126d(7.0%減)▽合金地金メーカー向け:1,971d(29.8%減)。
08暦年のアルミサッシ出荷速報
9%減、住宅7%減・ビル11%減
08暦年のアルミ建材需給速報(室内建具を除く)によると、生産は30万6,006d、前年比8.2%減、出荷は35万8,929d、同7.4%減となった。
このうち、サッシは生産が20万6,217d、同9.6%減、出荷が24万7,089d、同8.8%減に。木造住宅用は生産が同8.2%減、出荷が同6.9%減。ビル用は生産が10.9%、出荷が11.1%と2ケタの落ち込みを記録した。
なお、12月単月速報(室内建具を除く)では、生産が2万4,194d(前年同月比6.4%減)、出荷が2万8,984d(同5.0%減)となった。このうち、サッシは生産が1万6,334d(同7.4%減)、出荷が1万9,500d(同8.0%減)。内訳では、木造住宅用は生産が8,035d(同3.9%減)、出荷が1万791d(同4.6%減)、ビル用は生産が8,299d(同10.7%減)、出荷が8,709d(同12.0%減)となった。
リョービの3Qダイカスト部門
5.8%減収、72%の営業減益
リョービの08年4〜12月期連結決算は売上高1,465.65億円(前年同期比9.4%減)、営業利益27.82億円(同73.5%減)、経常利益24.35億円(同76.7%減)、純利益7.32億円(同87.9%減)の減収・大幅減益となった。
上期は比較的堅調に推移したものの、第3四半期(10〜12月期)は急激な経営環境の悪化や円高の進行により売上高が激減、減価償却費の負担増も影響。業績は売上高426億円、営業損失13億円、経常損失17億円、純損失16億円と赤字に転落した。
4月〜12月期のダイカスト事業は、日米自動車メーカーの大幅な減産の影響で、前年同期比5.8%の減収に。減価償却費の負担増なども加わり、営業利益は同72%の減益となった。
通期では売上高1,760億円(前期比18.6%減)、営業利益9億円(同93.7%減)、経常利益2億円(同98.6%減)、当期純損益は収支トントンの予想。昨年10月に公表した売上高2,050億円、営業利益70億円、経常利益65億円、当期純利益37億円に比べ大幅な下方修正となった。
第4四半期(09年1〜3月)業績予想は売上高294億円、営業損失19億円、経常損失22億円、純損失7億円。
住団連が09年度新設住宅着工予測
101万8千戸、08年度見込比3.3%
3年連続の低水準、建材業界の春遠し
住宅生産団体連合会(会長・和田勇積水ハウス会長)はこのほど09年度における新設住宅着工数が101万8,000戸、08年度見込み105万3,000戸比3.3%減となる予測をまとめた。これは住団連加盟の大手住宅メーカー15社の経営者に対するアンケート調査結果を集計したもので、住宅各社が先行きを極めて厳しく見ていることが判明した。
新設住宅着工数は06年度に129万戸まで増加した後、改正建築基準法の影響を受けて07年度103万戸、08年度見込み105万3,000戸に落ち込んだが、09年度は景況感の一段の悪化からさらに減少すると予測。建材・住設など関連業界は3年連続の需要の大幅減退は免れない状況だ。
住宅大手15社の09年度各社別見通しは上が110万戸から下は90万戸まで企業によって見方が大きく分かれ、平均値が101万8,000戸。100万戸と予測する企業が5社で最も多かった。
内訳は持家31万1,000戸(08年度見込み31万1,000戸比横這い)、分譲住宅27万4,000戸(同27万5,000戸比0.4%減)、賃貸住宅43万9,000戸(同44万8,000戸比2.0%減)。(注)15社のアンケート調査は最大値・最小値を除いて平均値を算出したため、総合計101万8000戸に一致しない。
今後の見通しについて「住宅ローン減税、補助金制度の拡充など政府の景気回復策・内需拡大策に期待する」というプラスの声もある。一方、「景気の不透明感による消費者マインドの冷え込みに加え、金融不安・雇用不安などによる住宅の買い控え、第一次取得者層の結論先送りが目立つ。途中解約なども増えている。また住宅展示場への来場者も減少傾向にある」など悲観論が多い。
神鋼Al・銅の4〜12月期連結
7.8%減収・営業損失82億円
神戸製鋼所アルミ・銅関連事業の08年4〜12月期連結決算は売上高3,128.58億円(前年同期比7.8%減)、営業損失82.19億円(前年同期は173.89億円の利益)となった。
引き続き需要が堅調であった飲料用缶材を除き、自動車や液晶・半導体関連を中心に各分野で需要が大幅に減少。さらに、第3四半期に入り地金価格の急落などに伴い発生した在庫評価損約90億円が収益を押し下げた。
通期予想は売上高3,650億円(前期比18.9%減)、営業損失280億円(前期は220億円の利益)。昨年10月予想の売上高3,900億円、営業損失20億円からそれぞれ、250億円、260億円の下方修正となった。前回予想に比べ販売数量が落ち込む一方、在庫評価損が180億円に拡大するため。
住生活グループの4〜12月期連結
営業利益244.8億円、36%%減に
住生活グループの08年4〜12月期連結決算は売上高7,925.1億円(前年同期比2.7%減)、営業利益244.8億円(同36.0%減)、経常利益214.89億円(同48.3%減)、純利益64.45億円(同72.1%減)となった。
建築関連市場の冷え込みなどで減収となったうえに、原材料価格の上昇、製品の点検費用や貸倒引当金の計上などにより営業減益となった。為替差損の発生も響いた。また、減損損失の計上で純利益も大幅減となった。
セグメント別では、住宅関連は売上が前年同期比1.0%増、営業利益は23.7%減。ホームセンターなどが伸張したものの、持家住宅着工が回復に至らず建材が低調に推移した。
ビル関連事業は13.5%の減収になるとともに、営業損益は前年同期の6.89億円の利益から34.66億円の赤字に転落した。マンション着工の急激な落ち込みや非居住用建築投資の減少が響いた。
通期では売上高1兆900億円(前期比1.3%減)、営業利益310億円(同13.3%減)、経常利益320億円(同15.2%減)、当期純利益140億円(同20.9%減)と、前回予想を変えていない。
三和HDの4〜12月期連結営業利益
21.96億円、70.5%の大幅減に
三和ホールディングスの08年4〜12月期連結決算は売上高が前年同期比9.8%減、営業利益が同70.5%減、経常利益が同79.8%減となった。
国内は住宅市場低迷の影響によりマンション用ドアや軽量シャッターが振るわず減収に。米国でもガレージドア、開閉機、車両用ドアが不振で減収となった。欧州ではドイツ、フランスなどで住宅関連は落ち込んだものの、商業用ドアが堅調に推移、現地通貨建てでは僅かながら増収となった。利益面では会計処理変更に伴う在外子会社ののれん償却額33億400万円を計上したこともあり、大幅減益を余儀なくされた。
通期見通しは売上高2,770億円(前期比14.4%減)、営業利益80億円(同49.6%減)、経常利益72億円(同55.1%減)、当期純利益22億円(同73.3%減)。昨年10月公表の予想に比べ売上高で160億円、営業利益、経常利益、当期純利益はそれぞれ28億円、30億円、16億円の下方修正。
国内外とも住宅関連のみならず、商業・産業関連の需要減退の拡大、それに伴う連結子会社の売上高の減少、並びに持分法適用会社の投資損益悪化が響く。のれん償却額の計上は32億2,000万円を見込む。
文化シヤッターの4〜12月期連結
5%減収、通年で3億円経常赤字
文化シヤッターの08年4〜12月期連結決算は前年同期比5.1%の減収になるとともに、営業損失4.79億円、経常損失2.68億円となった。市場が縮小傾向にある中で、コスト低減に取り組んだものの、原油及び鋼材など原材料価格の高騰を吸収できなかった。防火シャッターの不具合に伴う改修費用3.45億円、投資有価証券評価損4.24億円の計上により純損失は18.76億円と膨らんだ。
通期予想は売上高1,140億円(前期比4.7%減)、営業損失3.5億円(前期は29.86億円の利益)、経常損失3億円(同32.89億円の利益)。昨年11月に公表した売上高1,200億円、営業利益28億円、経常利益31億円、当期純利益6.5億円から大幅下方修正となった。
役員報酬を一部返上へ
文化シヤッターは今期業績が悪化したことを受けて、役員報酬などの一部について自主返上を行うと発表した。返上額は取締役が役員報酬の10%以上、執行役員が月例給与の5%。2月から当分の間実施する。
新日軽が樹脂製断熱サッシ新製品
フォルティア高所用すべり出し窓
新日軽は樹脂製断熱サッシ「フォルティア」シリーズに吹抜・階段室などでも効率的に換気ができる「フォルティア高所用すべり出し窓」を北海道・東北・関信越の地域限定で発売した。
同サッシは次世代省エネルギー基準で最高等級を獲得した製品。オール樹脂製とすることで、断熱性を高めるとともに、框部分の結露が発生しにくくなる断熱構造を実現。電動または手動での開閉で高所の空気を効率的に換気する。一般複層ガラス(2タイプ)またはLow-Eガス入り複層ガラス(4タイプ)を装備した組立完成品。
サイズは幅600×高さ570o。セット価格は9万4,000円(手動タイプ)と12万9,000円(電動タイプ)。
トステムが「和障子」モデルチェンジ
トステムはこのほど、新和風シリーズ「和障子」をモデルチェンジした。和障子はサッシの内側のほか、居室の間仕切りなどとして依然、根強い人気の伝統的な建具。今回、洋室との和洋折衷コーディネイトをより容易にするデザインの「紙貼障子」、「猫間障子」、「吾妻障子」の3種類を新発売した。
素材は框/障子がアルミとHPJシート、紙貼障子が強化和紙と透明ガラス、吾妻障子はかすみガラス。初年度4億円の販売を見込む。
08年アルミ建材輸入、7.7万d
9%減、タイ4.8万d・12%減
財務省通関統計によると、08暦年のアルミ建材(品目番号7610.10−000の構造物戸・窓・窓枠と同7610.90-000の構造物その他部分品の合計)輸入量は7万6,688dで、07年の8万3,980d比8.7%減、輸入金額は571.4億円で、前年実績609.9億円に比べ6.3%減となった。
国別に見ると、首位は引き続きタイ。タイからの輸入(7610.10と7610.90の合計)は4万7,599dで、前年比11.7%減に。構造物戸・窓・窓枠ではタイからの輸入量は3万6,774d、同11.7%減となった。
タイではトステムタイが第5次増設計画を推進中で、サッシの海外生産比率は第3四半期実績で31%に高められている。ただ、日本の建材市場が不振を極める中で輸入量は減少した。
また、中国からの輸入量は1万9,860dで、07年の2万2,728dからは12.6%減となった。
08暦年の板類輸出は5.6%増
押出類輸入7.3%減の1.6万d
08暦年のアルミ圧延品(板・押出)の通関統計(12月は輸出は確報値、輸入は速報値)によると、輸出は板類(板・帯・円板)が22万4,009dで前年比5.6%増、押出類(棒形、管・中空棒、線)が3万4,140d、同4.1%増となった。
国別では板類輸出で中国向けが5万5,820d、同10.7%増と伸び、全体の24.9%を占めた。押出類輸出ではマレーシア向けが8,862d、同10.3%増と好調。中国向けも8,844d、同12.7%増と伸び、両国向けで構成比が52%に達した。
輸入は板類(板・帯)が同13.8%減の4万6,907d、押出類が同7.3%減の1万5,817d。
国別では板類で韓国からの輸入が1万5,146dで、前年比16.2%減、米国が8,531dで、28.3%のマイナスとなった。押出類は米国からが5,744dで、全体の36%を占めるが、9.1%減となった。
箔輸出7%減、中国・タイで52%
輸入は30%増、中国から38%増
08暦年のアルミ箔輸出・輸入通関統計によると、輸出は前年比7.5%減の6万3,042d、輸入は同30.3%増の1万6,691dとなった。
国別輸出では、中国向けが1万8,990dと30.1%を占めたものの、前年比では9.2%のマイナスに。タイ向けも1万3,977dで、前年比横ばいにとどまった。一方、米国向けは3,299dと、13.8%の伸び率になった。
国別の輸入量では中国からが1万555トン、同37.8%増と引き続き拡大、全体の63.2%を占めた。また、第2位の韓国からは2,923dと、構成比は17.5%だが、34.1%増と大幅に伸びた。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
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