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NO.2154(2013年10月28日号)

九州大学がアルミの真の破壊を解明
「夢のアルミ合金」開発が現実に
九大とUACJで「革新的新構造材」

九州大学はこのほど、大型放射光施設「Spring-8」での「4D観察」を活用し、アルミの真の破壊メカニズムを解明したと発表した。これを応用してアルミ中のポアの増減、配列の制御などにより、従来法では考えも及ばなかった高性能アルミ材を創製することが可能という。

「超々々ジュラルミン」創製へ
  アルミの真の破壊メカニズムは九州大学大学院工学研究院の戸田裕之主幹教授らが解明したもの。詳細内容は米学会誌「Metallurgical and Materials Transaction」のオンライン版(10月4日号)と、11月1日発刊の印刷版12月号に掲載予定。九州大学と涯ACJは経産省の新プロジェクト 「革新的新構造材料等技術開発」の一つに採択されたことから、10月から共同研究をスタートした。
 金属に力を加えると、金属によって異なるが一 定の力を超えると変形するようになり、そのまま力を加え続けると破壊に至る。その変形の過程では金属材料内部に高密度に存在する微細な粒子の破壊から始ま り、それによってできた多数の「ボイド(空洞)」が徐々に成長し、破壊に至るというメカニズムを戸田主幹教授らが解明した。
強度や靭性が数10%向上
  一方、戸田主幹教授らは金属内の微細な構造に関してアルミに着目。アルミの内部には無数のポア(水素が充填された球状の穴で、1立方o当り数万〜数十万) が存在することをシンクロトロン放射光を用いて証明。さらにポアは鋳造・熱処理・加工の工程で増減・微細化するが、最終的に多数のポアが残るという。今回 明らかになった真の破壊メカニズムを活用すれば、アルミ内部のポアを減らしたり、空間的な配列を制御することで今までとは全く異なる特性を持つ高性能のア ルミ材の開発が可能としている。
 実際、戸田主幹教授らはアルミ作製時に水素を入らなくすることで微細なポアが大幅に削減され、その結果、強度や破壊靱性、成形性など構造用材料にとって重要な特性を最大で数10%も向上できることを実証済みという。
 経産省は輸送機器の抜本的な軽量化に向けて構造材料の高強度化を目指す研究開発プロジェクト「革新的新構造材料等技術開発」を13年度からスタート。アルミに関しては戸田主幹教授らの今回の学術成果に基づき、九州大学とUACJが同PJの一つとして共同で取組む。
  かつて住友軽金属が開発した高強度アルミ合金「超々ジュラルミン」が世に現れ、航空機などに多用されるようになって70年を経過。九州大学とUACJの共 同研究では、強度特性を飛躍的に向上し、しかもリーズナブル価格を実現した「超々々ジュラルミン」ともいうべきアルミ合金が出現する可能性も十分にある。


国際協力銀行が500万ドル融資
広島アルミのベトナム子会社に

中堅・中小企業海外事業展開を支援
  轄総ロ協力銀行(JBIC)は10月8日、「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、広島アルミニウム工業(広島市西区、資本金3.5億円、田島文 治社長)のベトナム法人HAL Vietnam Company Ltd(以下HALV)との間で、融資金額500万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結したと発表した。この融資は民間金融機関との協調融資 による。
 融資対象はHALVのエンジン及び変速機関連のアルミ鋳物など自動車部品の製造工場の新設及び既存工場の増強に必要な資金。
  広島アルミはアルミダイカスト、砂型・金型・低圧・高圧凝固など自動車部品向けアルミ鋳物を主力とする企業。年商規模は12年度で666億円、従業員は 2,186名。国内では広島県内に7工場(祇園・可部・八重・新郷・安佐・千代田・長束)と島根県太田市に太田工場を持ち、幅広くアルミ鋳鍛造事業を展開 する。また海外においては02年12月にベトナムにHALV社を立ち上げたほか、11年12月にはメキシコにHAL ALUMINUM MEXICO社を、13年4月にはHAL ALUMINUM(THAILAND)社を設立するなどグローバル化を推進中。
 ベトナムのHALV社は11年12月に第2工場を竣工。アジアを中心に今後もアルミ鋳鍛造品の自動車部品の需要増大が見込まれるため、広島アルミはHALV社の生産能力の増強を企図する。
JBICは「今回の融資は広島アルミの海外事業展開への支援を通じ、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものである」とコメントした。


貝IXILが市場投入
地震に強い「制震SW」工法

建物の揺れ幅を約1/2に減衰
 LIXIL はスーパーウォール(SW)工法住宅の高断熱壁パネルとして、制震機能を取り入れた「制震スーパーウォール」を開発し、10月から市場投入した。SW工法 住宅は1995年の発売以来約4万棟になるが、地震による全壊は0棟と高断熱・高耐震が特徴だが、さらに制震機能を付加した。
 「制震SW」は新たな制震機能として、ブチルゴム系素材を住宅用に加工した粘弾性体の「制震テープ」を柱に固定する面に追加。これにより地震時には制震テープが揺れのエネルギーを熱エネルギーに変えて吸収する仕組み。
  「制震SW」で施工した住宅は、非制震住宅に比較し、何度揺れが来ても変形が進みにくいので、本震だけでなく繰返しの揺れ・余震にも強い住宅を実現でき る。揺れ幅は非制震住宅の約1/2、つまり非制震住宅は40oの変位で筋交いが折れるのに対し、制震住宅は20oの変位で壁紙が破れる程度の被害に留まる という。部分的に配置する制震装置とは異なり、建物の構造パネルに制震機能を加えたことで、建物の一部に負荷が加わることなく、家全体で揺れを抑制する。
 SW工法はLIXILが独自開発した高性能SWパネルを用いた高気密・高断熱・高耐震の住宅工法。優れた省エネ性能は当然のこととして、冷暖房や計画換気システムを組み込むことで快適な温熱環境を実現できる。


文化シヤッターが受賞
「”超”モノづくり部品大賞」

  文化シヤッターが12年9月に市場投入した簡易型止水シート「止めピタ・シャッタータイプ」がこのほど、「2013”超”モノづくり部品大賞」において、 奨励賞を受賞した。同製品はゲリラ豪雨や台風時の建物への浸水対策製品で、施工の簡易さや止水性能の高さが評価された。
 同大賞はモノづくり日本会議が主催し、経産省・日本商工会議所などが後援する顕彰制度。日本のモノづくりの原点でもある産業・社会の発展に寄与する「縁の下の力持ち」的存在の部品・部材を表彰する。今回が10年目。
  同製品は建物開口部に設置されたシャッターに付設する簡易型止水装置。この種の製品は他にもあるが、@5分で簡単かつスピード設置が可、A重さが最小5 s、最大20sと軽量、B収納がコンパクトで持ち運びが可、C土嚢使用時に比べ約10倍以上の止水性能のよさ─などが高く評価された。


9月の圧延品市況
3地区とも全品種前月横這い

  全国軽金属商協会市場調査委員会は10月16日、9月の軽圧品市場調査結果を発表した。当日午前中に関東地区に大型台風が来襲したため、流通問屋の出席は 6社と少なかった。調査結果は東京・大阪・名古屋の3地区とも全品種が前月据置きとなった。これで4月以降ずっと据置きが続くが、これは珍しい出来事とい う。
 岩田龍一市場調査委員長(白銅東日本営業部長)は「4〜5月を底に軽圧品の荷動きは徐々に回復傾向にあるが、目立った改善は見られない。基 礎となる10〜12月のアルミ地金市況はs当り250円の据置きとなったことから、10〜12月も大きな値動きは予想できず、現状据置きが継続するのでは ないか。アルミ地金の海外相場は供給過多が続いていること、エネルギーコストアップによる生産コスト増など流動的で、引き続き動静を注視する必要がある。 年明け以降の市場見通しは不透明だが、アベノミクスなど景気回復による春需を期待する」とコメントした。


昭和電工の中国工場が稼働
コンデンサ用高純度アルミ箔加工
月産当初500d、2期工事で一貫化

  昭和電工は10月16日、100%子会社の昭和電工アルミ(南通)有限公司(尾野元英董事長)が中国江蘇省南通市に建設していた電解コンデンサ用高純度ア ルミ箔の加工工場が完成、10月11日に現地で竣工式を行ったと発表した。10月中に量産を開始する。月産能力は当初月間500d。
 アルミ電解 コンデンサ用高純度アルミ箔は、食品包装用などで使用される一般箔とは異なり、99.9%以上の高純度アルミを圧延する。昭和電工は堺事業所に「コージュ ナル法」による高純度アルミ地金の精製から、圧延(箔地圧延・箔圧延)、加工まで一貫ラインを持つ。生産能力は高純度アルミ地金3,000d、加工能力 2,500d。国内シェアは約5割、世界シェアも約40%を確保するNo.1製品で、アルミ事業の屋台骨を支える重要なプロフィットセンターの一つ。
 新工場は上海市の北西約180qの南通市経済技術開発区で、敷地面積は2万7,850u。今回15億円を投じて建設したのは第1期工事分で、高純度アルミ箔の最終加工ライン。主要設備は洗浄装置・スリッター・仕上げ焼鈍設備・梱包ラインなど。
素材の高純度アルミ箔は堺事業所が供給する。これにより中国各地のコンデンサメーカーにタイムリーに供給する体制が整った。
  アルミ電解コンデンサは家電製品からIT機器、電気自動車やハイブリッド車、風力・太陽光発電など今注目の新エネルギー分野などで多用され、新興国で市場 が拡大する。特に今後は中国を中心にエコカーや太陽光発電のパワーコンディショナ向けの需要増が予測され、2015年まで年率約10%の伸長が見込まれる という。
 第2期工事では高純度箔圧延機を導入し、箔圧延から仕上げまで一貫化を計画する。同社はその時期について明言はしていないが、「現地需要が月間500〜800dに増大する1〜3年内の早い機会に実施したい」としている。


YKK APが高齢者住宅向け
「EXIMA31・引違い窓(3枚建)」

業界初の複層ガラス仕様で断熱性能6割Up
 YKK APは10月10日から集合住宅・中低層オフィス向け基幹商品の「EXIMA31(エクシマサンイチ)」の3枚建引違い窓に、複層ガラス仕様を発売した。 3枚建では業界初の複層ガラス仕様で、単板仕様に比べて断熱性能が60%も向上する。初年度受注金額目標は10億円。
 3枚建の新製品は最大幅 3,600oのワイドスパンが特徴で、2枚建に比べて20%も開放幅が拡大するので高い眺望性と開放感が得られる。省エネ意識の高まる中、ビル用の窓製品 としては初めて3枚建に複層ガラス仕様を加えた。これにより断熱性能は従来の単板ガラス仕様に比べ大幅に向上し、断熱等級H-2を実現。
 またフ ラットタイプの下枠(オプション仕様)も用意したので車椅子の通行に障害にならない。大型窓は重量が重いので高齢者や幼児の開閉が大変という指摘もあった が、およそ1/2の力で操作できる「サポートハンドル」や、抗菌仕上げのクレセント、自然の風を採り入れる換気小窓(内倒し型)も用意した。一般住宅はも とよりサービス付き高齢者向け住宅、医療・福祉施設、教育施設などに最適という。
 基本性能は耐風圧性S-5・S-6、気密性A-4、水密性W-5、遮音性T-1・T-2、断熱性H-1・H-2と高性能。ガラス溝幅は14o・35o。本体価格は写真(幅2,700o×高さ2,000o)で9万6,900円。


被災地でアルミ漁船1号が進水
ティエフシーが建造、観光船も

  アルミ船の建造を専門とするティエフシー(岩手県山田町、神原潤社長)は15日、大震災被災地のやまだ工場で建造していたアルミ漁船第1号船が完工したと 発表した。今年1月から建造していたもので、規模は全長17.7m×全幅4.2m×高さ1.45m、総トン数9.7d。
  ティエフシーは広島県尾道市に本拠を置く造船会社ツネイシクラフト&ファシリティーズが震災地の経済的な自立、雇用の確保などを目的に11年7月に設立。 被災地の山田町・大槌町・宮古市など岩手県沿岸部から15名が入社し、親会社のツネイシクラフトで技術研修を行い、第1期生が13年1月から新会社で働い ていた。去る10月7日には第4期生の研修も終了。今後は引き続き漁船のほか20d未満の警備艇や観光船などアルミ合金船を建造する。
 ツネイシクラフトは20d未満のアルミ合金船では国内最大の実績を誇る。


日本マグネ協会が九州に初の支部
10月25日に設立記念式典とシンポ
産学官のマグネ事業振興を側面支援

  日本マグネシウム協会(金澤武会長)は10月25日、北九州学術研究都市において関係者約70名を招き、九州支部の設立総会と記念式典、記念シンポジウム を開催する。同協会として初めての支部組織で、熊本県・熊本大学・不二ライトメタルなど産学官が総力を挙げて取り組むマグネ合金の事業化とその普及に業界 団体として側面から全面支援する。
 九州地区には不二ライトメタルのほか、戸畑製作所、ホンダロック、アジア技研、日本金属・九州工場、エルエーエフジャパン、フィルコーポレーションなどマグネ関連企業が数多く集積する。
  一方、熊本大学先進マグネ国際研究センターの河村能人教授は耐熱・難燃マグネ合金「KUMADAIマグネ合金」を開発、熊本県の支援を受けながら不二ライ トメタルと共同で実用化に向けた製品開発と量産設備の建設に着手した。マグネの特性である軽量性を活かし、航空機や自動車部品、建築材料への用途開発が産 学官連携のもと進行する。こうした活動を業界団体として支援、促進するため、九州支部を新設する。
 シンポジウムは25日午前10時から開催さ れ、九州経済産業局の小井出博之地域経済部製造産業課長と、同協会の加藤数良副会長の挨拶の後、東京理科大学の塚本修教授(元経済産業省製造産業局非鉄金 属課長)が「経済成長戦略と地域の活性化」と題した基調講演を行う。その後@「難燃性マグネシウム合金の鋳造技術と実用化例」、戸畑製作所・松本敏治取締 役技術センター長、A「難燃性マグネシウム合金を用いたマグネシウム空気電池」、古河電池・阿部英俊開発本部開発部長の一般講演が予定されている。 


鉄道総研が難燃マグネ実用化へ
フレーム・内装品、軽量化と制振性

  鉄道総合技術研究所は難燃性マグネ合金の実用化研究・開発を進めている。専門誌が伝えたもので、マグネ合金を鉄道車両構体(フレーム)と内装品などに適用 する考えで、実現すれば車体の大幅軽量化と省エネが可能になるという。マグネの特性の一つが振動吸収の制振性で、電車の揺れを低減して乗り心地も向上す る。
 民間企業と協力して鉄道用に最適化した独自の難燃性マグネ合金(Mg-3Al-1Zn-Ca)を開発したという。安全性の観点から鉄道車両 用に採用するには難燃性が不可欠のため、汎用のAZ31(Mg-3Al-1Zn)合金にカルシウムを1重量%添加することで、耐熱性能を高めた。
  マグネの特性である振動吸収、リサイクル性、電磁波シールド性の良さもプラス材料。車両フレームへ導入が進めば車両の揺れを減衰し、乗り心地を向上。また 内装材は現状樹脂材料が多く、リサイクルはほとんどなされていないが、マグネは有用金属としてほぼ全量のリサイクルが可能で、環境負荷の低減も図られる。
  ただ実用化に難関もある。車体に導入するには板の長さが24.5m以上の長尺化が必要だが、その生産体制の確立が不可欠。現状は15mが限界で、そのため の生産設備の大型化が必要で、それに対応した表面処理技術・耐食性の向上も重要。構体・内装品のマグネ化が実現すると、1編成(12〜16両)当り数10 dの新規マグネ需要が発生すると試算する。


Al-空気電池を二次電池化
富士色素(川西市)が世界初

充放電時間の延長と容量大型化へ
  富士色素(兵庫県川西市、資本金3,000万円、森史郎社長)は10月11日、金属-空気電池の一種であるアルミ-空気電池において、初の二次電池化を実 現したと発表した。同社の森良平博士(常務取締役)が開発した新構造の「アルミ-空気二次電池」は1週間の充放電が可能という。
 今後は電解液をより安全で安価なNaCl(塩水)を使用する計画。またより伝導度の高いアルミイオン伝導性を有するアルミイオン伝導体の使用も試みる。これらによってさらなる充放電時間の延長や、容量の大型化を目指す。
 地球温暖化や原油価格高騰などから自動車のエネルギー源などを電気エネルギーに転換することが注目される。しかしニッケル水素電池やリチウムイオン電池は、電気自動車やスマートグリッドに必要となる高性能の蓄電機能としては、エネルギー密度が不足しているという。
  富士色素は金属-空気電池の中で、材料として最も扱いやすく、しかも安価なアルミに着目。アルミは他の二次電池の金属材料と比較して安価で資源量も豊富。 また二次電池で最高といわれるリチウム-空気電池(11,400Wh/s)に次ぐ2番目の理論値容量(8,100Wh/s)を保有する。
 同社が製作したアルミ-空気電池の構造は負極にアルミ板を、電解液として水酸化ナトリウム水溶液を用いて、負極と正極である空気極と電解液の間に酸化物から構成されるアルミイオン伝導体(タングステン酸アルミ)を組み合わせた。
 同構造の電池を空気中で0.2mA/p-2の放電レートで放電すると、初期放電容量は5.3mAh/p-2となった。また30回目の放電容量も約4.4mAh/p-2となり、放電容量が8割以上維持され、二次電池として機能できることが証明されたという。 


スチール缶リサイクル率90.8%
過去最高を更新、軽量化率も達成

スチール缶消費量は9年連続の減少
 スチール缶リサイクル協会は10月11日、12年度におけるスチール缶のリサイクル率が90.8%となり、11年度の90.4%を上回って過去最高を更新したと発表した。経産省のガイドラインの目標値85%を12年連続でクリアした。
 一方、12年度におけるスチール缶のリデュース(軽量化)率は1缶当り4.91%(1.75g)を実現、10年に策定した第2次自主行動計画における目標の4%を2年前倒しで達成した。今後は法的な枠組みとは関係なく、1缶当り5%の軽量化を目指す。
  リサイクル率の算定は12年度のスチール缶消費重量66万4,000dを分母に、再資源化量60万3,000dを分子に置いて算出した。スチール缶が販売 されて消費・回収されるまで3ヵ月かかると想定して消費重量は12年1〜12月、回収・再資源化重量は3ヵ月のタイムラグを置いて12年4月〜13年3月 までの累計数値とした。また集計値からスチール缶のアルミ蓋や水分など異物量を除いて算出した。
 ただここで気になるのはスチール缶の消費量と再 資源化重量の時系列的な推移。すなわち12年度の消費重量66万4,000dは前年度比2.6%減、再資源化重量60万3,000dは同2.3%の減少。 消費重量はピークの03年91万1,000dから9年連続のマイナス、再資源化重量も03年の79万1,000dから同様に右肩下がり続く。つまりスチー ル缶の需要は市場の縮小が依然として続く。
 なおスチール缶屑の買取価格は、直近の関東電炉によるスチール缶プレスでd2万5,900円。ほぼ2万5,000円台で横這い推移する。


建産協が断熱材認定制度を改定
事前の申請準備の円滑化が目的

 (一社)日本建材・住宅設備産業協会は10月18日、優良断熱材認証制度の実施規定を10月1日付で改定したと発表した。改定ポイントは2点あり、1点は認証区分ごとに製品認証審査要綱を加えたこと、2点は新たに認証区分C(断熱材製造者)を追加したこと。
  これにより申請者は認証審査で問われるポイントが明確になり、事前の申請準備が円滑になるとともに、認証審査もより迅速になるという。一方、認証区分につ いては今回の認証区分C(断熱材製造者)に続き、同区分として中間加工業者・流通事業者を、さらには現場施工事業者を対象とした認証区分Dの追加を14年 3月の実施を目標に進めている。
 新しい優良断熱材実施規定は同協会HPの「優良断熱材認証制度」サイトに掲載中。


ニチハが「お別れの会」
「中興の祖」故濱本晴市氏

  窯業系・金属系サイディング大手のニチハは10月17日、東京・丸の内のパレスホテル東京・葵の間において、去る9月7日に87歳で死去した故濱本晴市特 別顧問(元会長・社長)の「お別れの会」をしめやかに取り行った。出身母体の住友銀行や外壁材関係者など約300名が列席し、献花の後、濱本氏が活躍した 足跡を記録した写真を見ながら、故人の在りし日を偲んだ。
 主催者はニチハの井上洋一郎会長と山中達夫社長。喪主は子息の濱本寛夫氏。
  濱本氏は1952年京都大学経済学部を卒業して鰹Z友銀行(現且O井住友銀行)に入行。1977年12月に本店支配人から日本ハードボード工業(現ニチ ハ)の社長に転じた。社長就任後、主力製品の「モエンサイディングM・W」、高級外壁材「モエンエクセラード」を開発・発売するとともに、1988年には 名古屋証券取引所第二部上場を果たすなど、ニチハの歴史にとって「中興の祖」ともいえる存在だった。日本乾式防火サイディング協会(現日本窯業外装材協 会)、日本繊維板工業会など団体のトップを歴任するなど、業界の発展にも貢献した。


アルミ缶リサイクル協会が移転

 アルミ缶リサイクル協会(白井啓一理事長)は10月26日付で下記に移転する。業務開始は10月28日(月)から。
 〔新住所〕〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目2-1、塚本素山ビル6階。(日本アルミニウム協会と同一ビル)
 〔電話〕03-6228-7764、〔FAX〕 03-6228-7769


図・表・写真は本誌でご覧ください。