このサイトは、本誌の定期購読契約者のみが利用できるメンバー専用ページです。
 |
NO.2184(2014年6月30日号)
|
金属サイディング出荷が絶好調 13年度1,660万uで12.9%の大幅増 改修市場に定着、伸び率窯業系上回る
13年度における鋼製・アルミ製サイディングの生産・出荷はともに2ケタ成長と大きく伸びた。伸び率で住宅外壁主力の窯業系を上回った。11.3.11の東日本大震災以降、軽量・高耐候性を武器にリフォーム市場にすっかり定着し、今後も市場拡大が見込まれる。
この統計は金属サイディングの製販企業8社で構成する日本金属サイディング工業会(会長・新美義根潟`ューオー会長=写真)がまとめた自主統計。金属系の
製販会社は8社以外に見当たらず、輸入製品も殆んどないことからカバー率・精度が高く、この統計が国内の金属サイディング総市場を示すものといってよい。
それによると13年度の生産は1,616万uで12年度比11.5%増、出荷は1,660万uで同12.9%増と大きく伸びた。その生産・販売推移を時系
列で示したのが次頁・別表で、13年度の出荷は過去10年間で最高の伸び率を記録した。金属サイディングは新設住宅着工の減少とともに右肩下がりが続き、
09年度にはリーマンショックの影響による着工数の激減により1,286万uまで落ち込んだ。その後回復に向かい、13年度の出荷は過去のピークの
04〜06年度に迫る勢い。 特に消費税増税の駆け込み需要が顕著に表れた14年1〜3月の出荷は1月31.0%増、2月21.2%増、3月34.2%増と激増した。
ちなみに住宅外壁で7割超を占めて主流の窯業系サイディングの13年暦年出荷は1億710万uで8.4%の増加。つまり伸び率において金属系が窯業系を上
回っているもので、窯業系が約9割を新設戸建て住宅に依存するのに対し、金属系は新築依存率が約5割で、残り5割はリフォーム需要と見られ、その分野が大
きな伸びを支えた。 金属サイディングは耐久性・耐候性に優れるガルバリウム鋼板・カラーアルミを主要素材とし、断熱裏打ち材の硬質プラスチック
フォームの発泡樹脂材を一体成形した金属外装材。そのためu当りの重量が約5sと軽量で、重量はライバルの窯業系の約1/4、モルタルの約1/10と軽量
性が大きな特徴。熱伝導率も0.026と低く、窯業系の0.15、モルタルの1.3に比べて断然断熱性能が高い。乾式工法のため凍結被害がなく、冬場にお
ける寒冷地方での設置工事も問題がない。また表面デザイン性において窯業系に大きく劣るとされてきたが、深彫り工法やインクジェット塗装法などの採用でそ
のマイナス面もカバーしつつある。 さらに軽量なことから既存躯体への加重負担が少なく、既存住宅の外壁の上から金属サイディングを重ね張りする
カバー工法ができるメリットもある。東日本大震災では震災地区やその周辺で住宅外壁の破損や剥離が多発したが、そのリフォームに金属サイディングが多用さ
れた。すなわち金属系の出荷は11年度に1,460万uで12.3%増加したが、この増加はリフォーム需要の伸長によると見られ、現状では総出荷の約5割
がリフォーム向けといわれる。 同工業会は14年度から金属サイディングの認知度の向上、西日本におけるリフォーム需要の拡大を目指し、活動を開
始する。すなわち@重ね張りリフォーム用施工マニュアルの作成、A重ね張りリフォーム工法における遮熱・断熱性能の確認試験、B西日本地区における講習会
開催・展示会への出展などを実施する。 なお金属系サイディングの製販会社はアイジー工業のシェア36.3%(カロス出版「建材情報」
No.393を参照)をトップに、ニチハ(旧チューオー)22.0%、旭トステム外装15.3%、日新総合建材8.0%、KMEW8.0%、東邦シートフ
レーム5.7%、YKK AP4.6%、淀川製鋼所0.0%と続く。素材別では鋼製が90%以上を占め、アルミ素材は約10%程度でYKK
AP、日新総合建材、KMEWなどが有力企業といわれる。
日本マグネシウム協会が定時総会 新会長に加藤日大教授
(一社)日本マグネ協会は6月16日、東京都千代田区の学士会館で第6回定時総会を開催、14年度の事業計画を承認した。席上、金澤武会長の任期途中によ
る辞意表明に伴う役員改選を行い、新会長に加藤数良日本大学教授(次頁・写真)を選出した。同時に定款変更を行い副会長は2名増員して5名に、理事は5名
増員して35名とし、それぞれ選出した。新体制は以下の通りで、正副会長は記者会見し、各々の立場から以下の通り所信を述べた。 【新体制】▽会
長、加藤数良日本大学教授(新任)、▽副会長、中村弘之鞄穴C理化専務取締役(非改選)、▽同、増渕茂麿筑波ダイカスト工業会長(非改選)、▽同、上島隆
潟^ックトレーディング社長(新任)、▽同、山崎一正日本金属専務取締役(新任)、▽同、井上正士不二ライトメタル執行役員(新任)、▽専務理事、小原久
日本マグネ協会専務理事(非改選)。 「ここ最近はMg工場の爆発・火災事故など不幸な出来事があった。金澤会長の後任を仰せつかったが、そうした事故防止をはじめ製品・技術開発などMg産業及び当協会の発展に全力を尽したい」(加藤会長)
「事故のないモノづくり、安全が第一。その中で自動車・高速車両・航空機などの分野でユーザーと一緒になった需要開拓を推進する。世界のマグネ生産能力は
約180万dで、うち中国が150万dを占める。中国の実生産は70万d程度と推測される。一方、日本の13年度の総需要は3万6,000dで、うちMg
合金が8,000d、展伸材は1,000dだった。14年度は3万7,000dを見込む」 「Mg製錬は中国およびその他で幾つかの案件が具体化
されつつある。例えば中国・青海では10万d計画が、ノルウェーでは6.5万d計画が、カナダでは5万d計画がそれぞれ進行すると伝えられる。稼働はいず
れも2017〜18年で、世界のMg需給構図も変化するのではないか」
会員メリットのさらなる追求
日本マグネ協会はこのほど14年度の主要な事業計画を以下の通り発表した。 【14年度の主な事業計画】@会員サービスの拡充に関する活動。積極的な会員交流を通じて会員メリットの明確化を進め、会員増強を図る。現状会員数は113社。海外Mg機関・国際Mg協会との交流を進め、最新情報を提供する。 AMg
市場開拓・技術開発に関する活動。各種輸送機器分野(自動車・高速車両・航空機)におけるMg合金適用に向けた技術開発、自転車のMg化など各種技術の実
用化、Mg安定供給のための製錬事業の展望構築、環境に優しいMgのPR、新規需要分野の開拓を急ぐ。また不燃・難燃Mgの普及のための技術研究開発を進
める。 B環境問題・安全対策などへの対応。Mgによる火災事故防止や労働安全の普及を促進するため、安全な切削加工技術の開発や安全意識向上のための表彰制度の実施。 C標準化・普及促進に関する活動。積極的にJISやISO規格の充実を図り標準化を促進するとともに、基礎研究を通じて人材育成を進める。
第17回日本Mg協会賞受賞者 特別功労賞に茂木千葉工大名誉教授
奨励賞に不二の佐々木氏など3氏 日本マグネ協会はこのほど第17回日本マグネ協会賞の受賞者を発表するとともに、通常総会後に授与式を行い、金澤前会長から表彰状と副賞が手渡された。同賞はMg用途開発・製品開発などMg需要の促進、日本マグネ協会の運営・活動に特に寄与した人に贈られる。 【特別功労賞】▽茂木徹一千葉工業大学名誉教授。「Mg合金の鋳造加工における各種技術の解明」。特にMg合金凝固組織と鋳造性、鋳造時における防燃ガスの調査、半溶融加工・結晶粒微細化などの鋳造技術の研究成果は功績大。 【奨励賞】@萩原幸司大阪大学大学院工学研究科准教授。「Mg基シンクロ型LPSO相の塑性挙動、Mg合金強化に与える寄与の解明」 A佐々木美波不二ライトメタル生産本部研究開発・商品開発部。「KUMADAI Mg合金の量産実証のための分析技術開発や標準化の推進」 B伊藤友美権田金属工業マグネシウム部マグネシウム課。「Mg合金圧延板材の組成分析や組織観察による品質管理」 【技術賞】▽浜松地域Mg事業化研究会。「Mg合金製フレームを有する超軽量車椅子の開発」 【特別賞】▽権田金属工業、▽三協立山・三協マテリアル社、▽東京サプライ、▽日本金属、▽潟qシヌママシナリー、▽フジ総業。「学生Mgデザインコンテストの製品試作への協力」
学生Mgデザインコンペ入賞は6作品
日本マグネ協会はこのほど第23回学生デザインコンテストの受賞作品6点を発表、表彰式を行った。今回は応募作品28点(制作部門20点、デザイン部門8点)の中から、製作部門4点・デザイン部門2点が選ばれ、金澤前会長から表彰状と副賞が授与された。
【制作部門】▽2席、超軽量電気自動車「エコ電カー」、水俣工業高校機械工作部12名。▽技術賞、Mg製シャープペンシル、日本大学寺井克・他1名、▽
同、エコランマシン前輪用ハブ・シャフト、有明高専楠田哲巳、▽奨励賞、18UP(踏み台)、日本大学菅野さやか・他2名 【デザイン部門】▽奨励賞、スマホカバースタンド、富山高専竹村由香、▽同、Mgペンシルカバー、富山高専広瀬凌矢
軽圧品市況、7月から10円上昇へ 市況調査委が「マージンUPも」
全国軽金属商協会の市場調査委員会は6月12日、岩田龍一委員長(白銅東日本営業部長)以下各委員が記者会見し、軽圧品市況の現状と今後の見通しを明らか
にした。市況は6月まで連続15ヵ月間異例の据置きが続いたが、地金の国際相場の上昇に伴って地金連動のNSPによって7月積みからs当り10円値上がり
する見通し。さらに輸送費の高騰などからロールマージンも見直す動きも一部にあるという。以下要旨。 「4月以降消費税増税の反動による荷扱いの
減少が懸念され、流通各社も3月をピークに4〜5月は10%程度下落したという企業が多かった。ただ4月は予算が固まっていないことから例年減少する。し
かし5月の連休以降回復し、6月には元に戻るなど全体的に荷扱いは伸びつつあるという意見が大勢を占めた」 「地金の国際相場は減産の効果などでバランスし始め、7月から10円増の260円に上昇する見通し。これにより地金連動のNSPによるヒモ付き軽圧品も10円の値上りが予想される。10〜12月積みはさらに20円程度の上昇が見込まれる」
「流通問屋には欠かせない輸送面において、宅配便での長尺品や重量物の運送が敬遠され、断られるケースが続出する。このため輸送費の上昇が負担となってお
り、その分をロールマージンに転嫁せざるを得ないという意見が多くなった。特に地方が厳しく、製品では形材が大きい。今後地金相場の動きとともに注視する
必要がある」
不二ライトメタルと産総研が共同開発 高精度Mg合金押出細管製造技術 肉厚誤差Max4%、医療分野等に期待
不二サッシグループの不二ライトメタル(中重健治社長)と独立行政法人産業技術総合研究所(中鉢良治理事長)は6月18日、Mg合金の高精度長尺細管の押
出技術を共同開発したと発表した。管の肉厚精度の誤差が最大で±4%以下という高精度が大きな特徴で、医療分野で需要増が予想される生体材
料、特に生体吸収性ステントの有力基材として期待される。 新技術は従来のポートホールダイスを用いず、押出ダイスとマンドレルのギャップに連続
的なMg材料流れが生じるような型構造を採用した。これにより肉厚誤差が8%以下、最大で4%のメートル級の長尺Mg合金細管の作製が可能となった。同手
法によるMg細管はポートホールダイスによる従来法に比べ、材料流れが連続的で不純物の巻き込みがない均一な材料組織を有する。したがって軽量フレームと
してだけではなく、ステントのような高い寸法精度と材料特性の信頼性が必要とされる医療デバイスの基材として使用でき、高付加価値のMg合金需要として期
待大。 Mg合金は実用金属の中で最軽量であり、優れた防振性を有することから、産業機器のフレームやシャフトなどの軽量化素材として、グリーン
イノベーションの推進に寄与。一方、Mgは人体に多く存在して細胞毒性が低く、さらに生分環境下で分解する生分解性を有することから、生体吸収性ステント
の有力基材として期待される。 しかしMgはその結晶構造に起因する塑性加工性の低さから、精密な長尺細管の作製は困難とされてきた。例えばポー
トホールダイスによる押出は薄肉化が困難で、組織も不均一。また中実押出材からの削り出し法は長尺化や表面精度に問題があった。大径口管からの引き抜き加
工は割れや膨大な加工工程数が指摘されていた。 両社によると同技術はMgの合金組成を問わず、従来法に比べ材料特性の安定した精密長尺細管の作
製が可という。両社は素材として市販合金(AZ合金・AM合金)、難燃性合金(AZX合金)、高強度合金(KUMADAI耐熱Mg合金)による生体合金の
高精度長尺細管を作製し、肉厚精度誤差の低さ・内外面の高表面精度・不純物のない均一組織などを確認済み。
LM表面技術部会がセミナー 「アルマイトに活気を!高機能付与」
ライトメタル表面技術部会は7月2日午前9時50分から、工学院大学・新宿キャンパス28階大会議室(東京都新宿区西新宿1-24-2)において「第34
回サマーセミナー」を開催する。今回のテーマは「アルマイトに活気を!・業界の実態を把握・魅力ある機能付与」。内容は以下の通り。 【基礎現場技術編】@「アルミの材料屋から見た最近のアルミ表面処理の動向」、潟vロトテック郡司博善、A「表面処理現場での検査測定。エネルギーの効率化を考える」、コーテック楯恒夫、B「顔料によるアルマイト染料技術」、潟fー・シー森巧 【実用技術】@「耐酸性・超硬質アルマイト」、潟nードコート佐藤貞守、A「ヤギマイト(耐食性・耐ガス性アルマイト)、デルマイト」、中国電化河本功、B「潤滑性硬質アルマイト」、潟~ヤキ鈴木一総 【研究編】@「アルマイト電顕写真の活用テクニック:アルマイトの構造と機能」、工学院大学小野幸子 【トレンド情報】@「海外でのアルマイト業界アラカルト」、奥野製薬工業中岸豊 参加費はLM部会・普通会員2万円、資料会員2.5万円、同協会会員3万円、一般3.5万円(テキスト・昼食・ミキサー代を含む)。定員40名。申込みはTEL03-3252-3286、FAX03-3252-3288。
昭和電工の植物工場ユニット 山形県天童市の大規模施設に採用
アルミ栽培棚やLED照明など多用
昭和電工と山口大学が共同開発した植物工場ユニット「SHOGYO R
ユニット」が、遠藤商事(山形市)が運営する山形県天童市の大規模植物工場に採用された。「SHOGYOユニット・コンテナ」は6月18〜20日まで東京
ビッグサイトで開催された「スマートコミュニティジャパン2014・農業ビジネスソリューション」で公開された。 採用されたのは独自開発の高速
栽培技術「SHOGYO法」と、同技術を最大限に引き出すLED照明やアルミ製栽培棚など野菜栽培に必要な設備と、最適な環境をオールインワン・パッケー
ジで提供する屋内設置型の植物工場システム。植物栽培マニュアルなど技術サポートも含まれており、農業の経験のない人でも新規事業として立ち上げも可。
「SHOGYO法」は植物の品種や育成時期に合わせた波長と強度の光を照射する高速栽培法。アルミ栽培棚は軽量アルミフレームにアルマイト加工を施し、錆
びにくい素材を採用。均一に光を照射できるようLED照明の配置に工夫し、反射板を内蔵した専用の栽培棚。 遠藤商事は12年から植物工場事業へ
の参入を検討、「SHOGYO法」を用いて実証試験を実施。その結果複数の品種で高品質の野菜を収穫でき、事業性も確認済み。今回建設する大規模植物工場
は栽培面積約2,000uで、日産約4,000株の収穫が可。9月に竣工、10月から操業を開始する。
日本Al手摺工業会会長に高橋氏 「安全」第一に環境変化に即応
マンションなどのアルミ手摺りメーカーで構成する日本アルミ手摺工業会は6月19日、定時総会を開催し、14年度事業計画を承認するとともに、役員改選を行い会長に高橋浩潟cヅキ社長を選出した。高橋会長は総会後に記者会見し、要旨次のように抱負を述べた。
「経営環境は次の3点で大きく変化する。すなわち@想定にない大震災や経済変動など世の中の変化が激しいが、そのなか当工業会の課題である安心・安全を第
一義としたい、Aインターネットの急速な普及など情報開示が不可欠、B手摺りユーザーの要求レベルの上昇への対応。以上3点を考慮して事業運営に当た
る」。 【新役員】▽会長、高橋浩ツヅキ社長、▽副会長、大吉弘ビルテック社長、▽同、上田隆造日昭アルミ常務取締役 【事業計画】@継
続事業の二次元コード(QRコード)貼付制度に関する情報・課題の整備。14年度中に16社全社の導入を計画する。A社会保険未加入対策への取り組み。法
定福利厚生費を見積り外に計上、完全獲得を目指す。B風荷重研究の継続案件としてコーナー試験を実施、検証する。C取引適正化に関する取り組み。D他の関
連団体との連携。E手摺り市場統計調査。
13年度Al手摺り市場は8.3%増 金額は13.8%増、仕事量は増加へ
日本アルミ手摺工業会は6月19日、13年度のアルミ手摺り統計を発表した。それによると13年度のアルミ手摺りの総市場は出荷量が321.8万mで12
年度297.0万m比8.3%増、出荷金額が281億円で同247億円比13.8%増となった。新設住宅着工増などでマンション着工が好調に推移したこと
を反映した。 このうち同工業会会員の出荷量は179.3万mで同177.6万m比1.0%増、金額は184億円で同174億円比5.7%増となった。会員の全体に占める割合は出荷量で55.7%(12年度59.8%)、金額で69.5%(同70.3%)にそれぞれ低下した。 14年度について「消費税増税の反動が懸念されるが、アルミ手摺りの仕事量は増加している。ただこの分野は少人数で行う零細企業も少なくなく、会員のシェア低下が心配される」という。
アイジー工業が空前の高収益 13年度18.6%増収、利益率14.3% 新製品拡販が寄与、今期は改修強化
金属サイディング最大手のアイジー工業は6月19日開催の株主総会とその後の取締役会で13年度業績と役員異動を決めた。13年度は新設住宅着工増など好
環境が示現したことから、売上高・各利益は過去最高となった。ちなみに営業利益率は14.3%と記録的な高収益をマークした。 13年度業績は売
上高161.75億円で前期比18.6%増、営業利益23.08億円で78.3%増、経常利益23.38億円で76.7%増、当期純利益14.12億円で
74.0%増と記録的な増収増益を達成。この結果、配当は一株当り2万7,900円を実施。同社は12年度においても営業利益率9.5%だったので、2年
連続の高収益をとなった。 経営環境は新設住宅着工が98.7万戸で10.6%増、民間非居住建築床面積が4,768万uで7.0%増とともに4
年連続の増加と好転。売上内訳は構成比約80%の金属サイディングが19.6%増と大きく伸びたほか、同約12%の非住宅向けサンドイッチパネルは
8.4%増、同約8%のルーフは25.9%増と住宅向けが大きく伸びた。 主力の金属サイディングは金属の質感を強調し、フッ素樹脂塗装鋼板によ
る塗膜10年保証や全色準不燃材料の認定を取得した「ガルスパンNEO-Jフッ素」が好評。これに見る角度でカラーが異なって見える13年2月発売の「ガ
ルフィーユ/モード1 ヒカリス」、4月発売の「ガルフィーユSLIM-I ブレンダスタ」の新商品が新築・リフォームともに増収に寄与した。
一方、収益はフッ素樹脂塗装鋼板中心の商品構成の見直し、重点地域・分野への営業資源の投入、採算重視の受注活動、寒河江工場の金属サイディングラインS
-2ラインの更新・改造、ルーフの東根工場にG棟の新設─など営業・製造両面の拡販・コスト低減策が奏功し、大幅増益を記録。この種の装置産業は出荷量が
増えれば損益分岐点が大幅に下がる。ちなみに13年度の金属サイディング出荷量は609.5万uで14.7%増となり、業界平均の12.9%増(日本金属
サイディング工業会調べ)を大きく上回り、業界シェアは36.7%に0.5Pアップした。 14年度は住宅市場において消費税増税の反動減が予想
され、先行き不透明。非住宅市場は企業収益の改善を背景に持ち直し傾向が続くと読む。その中住宅では成長が見込めるリフォーム市場を強化。非住宅では防耐
火認定品を保有するアイジーの優位性を強調し、商業店舗・物流施設・工場など鉄骨造建築物への積極採用を目指す。 【アイジー工業の14年度常勤役員体制】▽名誉会長、石川尭 ▽社長、服部達夫、▽取締役専務執行役員・営業管掌、刀田祐二、▽取締役執行役員総務部長、山口隆、▽監査役、宮越敏之、▽同、久保誠一郎(新任)、▽執行役員営業部長、鈴木恒男、▽執行役員製造部長、稲村忍
三菱アルミの13年度業績 売上高1千億円突破、営業益倍増
営業利益率2.3%、出荷量は3.5%増
三菱アルミニウムがこのほど発表した13年度業績は売上高1,003億円で1千億円を突破、前期比では7.7%増となった。営業利益は22億円で
98.5%増とほぼ倍増したものの、営業利益率は2.3%(1.2%)と低調だった。連結・個別の詳細は別表の通りで、個別の利益率が1.0%と低迷し、
海外子会社が健闘した。海外子会社は同社の得意技術の自動車熱交換器用多穴管の生産がタイ、北米などで好調で、業績が大幅改善した。
図・表・写真は本誌でご覧ください。
|