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NO.2208(2015年2月2日号)

日本アビオニクスが開発・発売
Al・Cuなど金属の超音波溶接装置
ハーネスなど軽量化・高品質化に寄与

日本アビオニクスはこのほど銅やアルミなど金属材料を超音波振動により溶接する技術と、超音波金属溶接機を開発したと発表した。ハーネス・二次電池・モーターなどの分野で軽量化・高品質化に寄与する。

  同社は精密接合装置の総合メーカーで、世界で唯一「抵抗接合」・「レーザー溶接」・「パルスヒートはんだ付け」・「超音波溶接機」の4種類の接合機器をラ インナップする。本社は東京都品川区西五反田に置き、資本金は58.95億円、社員は秋津克彦社長以下1,079名。直近の14年3月期の連結年商規模は 272.75億円。
 新開発の超音波金属溶接機の名称は「SW-3500-20/SH-H3K7」。特徴は@高信頼性溶接、超音波ヘッドの加圧機 構にスプリングを使用した追従方式を採用することにより、良好な加圧応答性が得られることで、ホーンとワーク間の滑りを抑制、接合安定性が向上、A超音波 ヘッドに剛性の高い加圧機構を採用、高加圧でもたわみが小さく、溶接面圧力が均一、B独自の超音波発振制御技術により、大きな負荷がかかる状態でも安定し た超音波振動振幅が得られ、高出力・高荷重を必要とするアプリケーションに最適、C1μm分解能リニアスケールにより、ワーク沈込み量・ワーク高さを精密 に検出、検出値に連動した発振制御が可、Dタイマー(時間)・デブス(ワーク沈込み量)・ハイト(ワーク高さ)・エネルギー(印加エネルギー)の4種の発 振制御方式から、アプリケーションに応じて最適方式の選択が可─など。
 この他モニター機能による品質管理、7インチワイドカラー液晶タッチパネルによる簡単操作と見やすい表示、外部機器からの入力が可能などシリアル通信ができる─などもポイント。
  環境問題や省エネの観点から蓄電・配電の重要性が増す。特に自動車分野では電動化の促進により蓄電部品(電池・キャパシタ)・配電部品(ハーネス・バス バー)の主要材料のアルミ・銅の溶接技術が関心の的。これは軽量化による燃費向上と材料費低減の観点からハーネス材料が従来の銅からアルミへと置換されつ つあるためで、アルミ線と銅端子の溶接技術の確立と実用化が急がれていた。日本アビオニクスの新超音波溶接技術とその装置はそれを可能とする。


涯ACJの山内会長と岡田社長
帝国Hでタイの工業大臣と会談

UATCの順調な立上りに感謝の意
 UACJ は1月15日、山内重徳会長CEOと岡田満社長CEOが東京・帝国ホテルにおいて、来日中のタイ政府のチャカモン・パースックワニット工業大臣一行と会談 したと発表した。席上、岡田社長がプレゼンテーションを行い、同社がタイに建設中の大型アルミ板生産工場に対するタイ政府の協力に感謝の意を表明した。
  同社はアルミ板の製販会社UACJ(Thailand)(略称UATC、ラヨン県アマタシティ工業団地、山口明則社長)を持ち、第1期操業を開始、目下熱 延工場を含む第2期操業開始に向けて建設中。UATCは17年までに年産能力20万dのアルミ板一貫工場とする計画。この他熱交材などアルミ押出の UACJ Extrusion(Thailand)・商社機能のUACJ Trading(Thailand)を持つなど、東南アジアの主要拠点としてタイと関係が深い。
 岡田社長は「UATCは東南アジア初の本格的なアルミ板圧延工場。目下一貫製造ラインの早期立上げと戦力化について全社挙げて注力する。タイ政府の協力に感謝するとともに今後の支援をお願いしたい」と協力要請した。
 これに対しタイ工業大臣は「UATCが最新技術を導入したことはタイのメタル産業にとって大変心強く、タイの産業発展に一段と貢献して欲しい。さらには教育機関やタイ鉄鋼協会とも連携を強化して頂きたい」とコメントした。


三協立山の欧州の押出新会社
現地経営責任者に松田氏を起用

 三協立山は2月1日付で役員・部長級人事を発令した。注目されるのは米国Aleris社の押出事業部門を買収し、欧州に2月1日付で設立する新会社Sankyo Tateyama Euro BVBAの現地経営責任者に松田秀樹氏を派遣すること。
  同氏は大阪大学の出身で、経営企画部長兼海外事業推進部長として今回の買収及びタイのThai Metal Aluminium社の株式取得など三協立山の海外戦略遂行に深く関わったとされる。同時に欧州子会社には三協マテリアル社の技術・製品開発を担当した花 木悟氏も出向する。
 三協立山は14年末と15年早々に海外の押出企業の買収・株式取得など大型案件が相次いだ。15年度は同社にとって「グローバル化元年」に位置付けられるが、その成否は松田・花木両氏のマネジメント力にかかっている。
  【三協立山】▽常務取締役経営企画室長兼情報システム統括室長兼経営監査部担当兼海外事業推進部長兼三協アルミ上席事業役員事業統括部長、庄司美次、 ▽Sankyo Tateyama Euro BVBAに出向(経営企画部長兼海外事業推進部長兼三協アルミ社事業統括部長)松田秀樹、▽経営企画部長兼広報・IR部長、谷村徹
 【三協アルミ・三協マテリアル社】▽事業役員営業統括室長兼技術開発統括室長兼基盤技術部長兼製品技術部長、山下友一、▽Sankyo Tateyama Euro BVBA出向(基盤技術部長兼製品技術部長)花木悟


自動車の軽量化技術・部品加工展
最先端技術が集結、5割増の690社
Al・Mg系は所沢・田島等中堅が主導

  世界最大級の車の先端技術展「AUTOMOTIVE WORLD 2015」が去る1月14〜16日に東京ビッグサイトで開催された。クルマの軽量化技術展・自動車部品加工EXPO・カーエレクトロニクス技術展・コネク ティッドカーEXPOが同時開催されたもので、総出展社は1,834社と過去最高を記録。アルミ・マグネ関連の軽量化技術展・部品加工EXPO他には前回 比47%増の690社が参加するなど大盛況だった。
 アルミ・マグネ関連では中堅企業の出展が意欲的。大手企業は特定の企業と共同開発体制を構築することから、この種の展示会への出展を控えがちだが、中小各社は自社開発の汎用性の高い最新自社技術・製品のPRに懸命だった。
  クルマの軽量化展ではオーアイテックがアルミ製冷間圧造部品を、褐I本鐵工所がADC12に代替えできる鋳造用難燃耐熱Mg合金とその使用例を、且O峰が Mgチクソ成形部品やAlチクソ成型部品をそれぞれ展示。また開MCはAl・Mgの精密砂型鋳造品の試作品や小ロット生産方式を、ダイナカストはAlダ イカストの3枚型量産品を、鞄c島軽金属はプレス板金用検査治具や新素材Al合金MON.3などを、ネクサスはMg合金チクソモールド技術を、潟с}シナ は自動車用高強度アルミボルトを、潟jューテックは石膏鋳造によるAl・Mg鋳造品をそれぞれ出展。
 この他熊本県企業誘致連絡協議会は熊大が開発した「KUMADAI Mg合金」の各種加工品を展示、それを呼び水にして企業誘致を呼びかけた。
  自動車部品加工EXPOでは潟Aサヒメッキが戦略的基盤技術高度化支援事業で開発した硬質アルマイト技術を、所沢軽合金がオリジナル製品のダイレクトキャ スト鋳造・ティーキャスト鋳造の実物を、褐ヒ畑製作所が発火温度900℃の難燃性Mg合金部品を、ティエフォーが足廻り部品のAl熱間鍛造品を発表した。


平成26年度の「省エネ大賞」
貝IXILは「ココエコ」で会長賞

YKK APは会長賞と長官賞のW受賞
 (一財)省エネルギーセンターが主催する「省エネ大賞」においてLIXILとYKK APがそれぞれ省エネルギーセンター会長賞を受賞した。YKK APは資源エネルギー長官賞も受賞、W受賞となった。
 最高賞の経済産業大臣賞はシャープの「液晶工場復活に向けた省エネ活動」が受賞した。
 LIXILの受賞対象は断熱リフォーム工法「ココエコ」。同工法は一部屋単位でエコリフォームができるのが特徴。窓・壁・床の上から断熱内窓や断熱パネルを取付けることで断熱性を高める。最短1日で工事が済み、年間冷暖房エネルギーを30.4%も削減できる。
 YKK APの会長賞は高性能トリプルガラス樹脂窓「APW430」が対象。樹脂製のフレームとLow-Eトリプルガラス(3枚複層ガラス)で窓を構成することで、国際水準とほぼ同等の熱貫流率0.91という高断熱性能を実現した。
  資源エネルギー長官賞の対象は「黒部越湖製造所」。同製造所はクレセント・戸車・網戸用ネット・ビスなど建材金属部品のほか、高断熱樹脂窓 「APW430」「APW330」など樹脂窓部品を生産する。省エネ・ピーク電力削減に積極的に取り組み、13年度までにエネルギー原単位31%減(10 年度比)、ピーク電力19%減と大きな成果を上げた。


YKK AP蘇州社に「門窓工場」
アルミ断熱窓・ロール網戸生産

施工研修所併設、システム販売強化
 YKK APは1月14日、かねてYKK AP蘇州社(江蘇省蘇州市蘇州工業園区星龍街458、村上肇社長)が建設していた門窓工場が完成、現地に関係者約100名を招いて竣工式を行ったと発表し た。生産品目はアルミ断熱窓・ロール網戸など。主要設備は窓生産ライン・その他。
 YKK AP蘇州社はYKK AP大連社・YKK AP上海社・YKK AP深社と並ぶ中国4大生産拠点の1つで、華中地域を守備範囲とする。生産品目は窓用部品・カーテンウォール・中国内需向けアルミ窓など。商品開発機能も 付帯する。従業員は村上社長以下約1,700名(14年末現在)。
 新設の門窓工場は中国内需向けの生産拠点で、市場の伸びに併せて供給能力を拡 充した。また中国AP(建材)事業の特徴である中国国内での商品開発・形材と部品の一貫生産及び加工・施工の指導を行う「システム販売」の強化を目的とし て、窓の加工・施工を行うファブリケーター育成のための施工研修所も併設した。
 投資額は約8億円。建築面積は2万167u。構造はRC造り・鋼板貼り。着工は13年9月で、操業開始は14年12月。


日軽金が鞄圏z理化を子会社化
株式28%追加取得、比率51.6%に
日中に加工拠点、年商日中計151億円

 日本軽金属(岡本一郎社長=写真)は1月21日、鞄圏z理化学研究所の発行済株式の28%を追加取得し、子会社化したと発表した。これにより日軽金の持株比率は51.6%となった。
  東陽理化は非鉄金属加工において世界トップレベルの優れた表面加飾技術とハイレベルの品質管理を有し、金型設計からプレス・溶接・組立・表面処理・完成品 まで一貫生産する総合金属加工企業。資本金は8.555億円で、従業員は島倉武社長以下283名。本社は新潟県燕市に置く。14年度の年商見込みは64億 円。
 また同社は中国江蘇省昆山経済技術区にIT関連筐体製造の子会社東陽精密機器(昆山)有限公司を持つ。資本金は2,800万米ドルで、従業員は小林一朗社長以下2,140名。年商規模は14年度見込み87億円と親会社を上回る。
 日軽金は東陽理化と11年9月に業務提携し、13年11月に株式23.6%を取得、持分法適用会社としていた。今後日軽金グループが得意とする素材技術・ノウハウと、東陽理化の非鉄金属加工技術を基盤とし、多様化・専門化する内外の顧客要求に一気通貫で対応するという。


日軽金が3月1日から値上げ
水酸化アルミ・アルミナ20%超

 日本軽金属は1月21日、水酸化アルミ・アルミナ・ローソーダアルミナ・電融アルミナの販価を3月1日から20%以上値上げすると発表した。
  「日本政府のボーキサイト残滓の海洋投入停止方針により、12年10月に原料を海外から輸入する水酸化アルミに全面転換した。それらの設備負担増に加え、 12年10月時点と比べて大幅な円安により原料調達価格が急騰する。自助努力による吸収の範囲を超えるため製品価格に転嫁せざるを得ない」。この種の水酸 化アルミナを販売するのは同社のほか昭和電工、住友化学の旧製錬2社がある。


12月末の軽圧品市況調査
全品種・全地区とも横這い推移

 全国軽金属商協会・市場調査委員会(委員長・岩田龍一白銅東日本営業部長)は1月14日、14年12月末時点における軽圧品の市況投票結果を発表した。それによると全6品種とも東京・大阪・中部で横這いとなり、値動きはなかった。岩田委員長は以下の通りコメントした。
  「15年の世界のアルミ新地金需給は約32万dの供給不足が予想される。需要面では米国経済の回復・欧米の自動車のアルミ化が牽引役となり、5.6%の増 加が見込まれる。供給面でも5.2%増が予想されるが、引き続いての世界的な減産傾向により需要の伸びを補いきれず、供給不足は16年には87万dまで拡 大するとされる。よってLMEの15年通年のアルミ新地金予測価格の中心値は14年比9%高のd2,063ドルに上昇する見通し」


14年11月アルミ建材統計速報
14.1%減と不調、住宅関連激減

  日本サッシ協会がこのほどまとめた14年11月のアルミ建材統計速報は、生産2万3,938dで前年同月比14.2%減、出荷が2万8,925dで 14.1%減と大きく落ち込んだ。品目別は別表の通りで、新設住宅着工の不振(10月の新設住宅着工は7万9,171戸で前年同月比12.3%減)から、 住宅サッシ22.8%減・ドア24.6%減と住宅関連が激減した。10月まで堅調だったビルサッシ・エクステリアもマイナスに転じた。スチール建材もドア はプラスだったが、シャッターが大きく落ち込んだ。


14年11月アルミ二次合金統計
自動車不振直撃、4.5%減と低迷

  日本アルミ合金協会がこのほどまとめた14年11月のアルミ二次合金統計によると、生産は6万8,954dで3.8%減、出荷は6万9,636dで 4.5%減と低迷した。地区別・品種別生産・販売と部門別出荷は次頁・表の通りで、出荷は構成比56.4%のダイカストが2.8%減、同25.7%の鋳物 が7.5%減と低迷した。これは主として国内の自動車生産・販売の不振によるもので、因みに14年11月の新車乗用車の販売台数は20万4,000台で、 前年同月比15.9%の大幅減少。新設住宅着工減などによる建築需要の不振から、押出材用の再生ビレットも11.3%減と2ケタ減となった。


貝IXILが15商品を市場投入
サ高住などパフリックトイレ充実

 LIXIL はオフィス・店舗から福祉・医療・幼児施設向けまで幅広く取り揃えたパブリックトイレ関連15種を品揃えし、15年2月から順次発売する。サービス付高齢 者用住宅(サ高住)の建設や国際競技大会の開催に向けた都市整備が拡大する中、公共トイレにも多様な機能が求められており、素早くそれに対応した。
 オフィス・商業施設向けはコンパクトでデザイン性の高い「パブリック向けタンクレストイレ(写真)」、使用する時だけ瞬間加温する「加温自動水栓」、タンク式・フラッシュバルブ式から選べる「多機能トイレパック」など7品目。
  需要拡大中のサ高住・福祉・医療・幼児施設向けはユニバーサルデザインに配慮した8品目を用意した。トイレブース内で尿瓶やストーマ装具を洗浄できる「ケ アサポート水栓付背もたれ」、腰掛タイプで足元の掃除がし易い「壁掛汚物流しパック」、排泄時の座位をサポートする「はね上げ式前方ボード」など。


14年11月のアルミ圧延品統計
総出荷16.35万d・2.9%減と低調

内需5.5%減、輸出26%増と明暗二分
  日本アルミ協会はこのほど14年11月のアルミ圧延品の生産・出荷をまとめた。それによると総生産は16万9,789dで1.7%減と15ヵ月ぶりにマイ ナスに転じた。うち板は10万2,380dで2.6%増と9ヵ月連続でプラス、押出は6万7,409dで7.5%減と大きく落ち込み、2ヵ月連続の減少。
  一方、総出荷は16万3,564dで2.9%減となり、3ヵ月ぶりマイナスに転じた。うち板は9万6,153dで0.8%の微増だったが、押出は6万 7,411dで7.7%減と大きく落ち込み、明暗を二分した。また内外別では内需14万5,505dで5.5%減、輸出1万8,059dで25.7%増と 内外別でも二分した。
 用途別出荷は別表の通り。板類は構成比32.7%の缶材がボトル缶の好調維持、コーヒー缶のアルミ缶化などプラス要因は あったが、スチール缶入りコーヒー缶の低迷で蓋材が激減(11月7,941dで24.0%減)したため、0.5%減となった。同12.7%の自動車は国内 販売台数減(11月の新車販売20.4万台で15.9%減)で2.7%減となった。これらにより内需は3.6%減と低調だったが、輸出が海外工場向け素条 輸出を中心に27.0%増と大きく伸び、内外併せ0.3%増とプラスを維持した。
 一方、押出の出荷は構成比61.4%の建設向けが住宅着工減などにより11.5%減と不振で、自動車用も4.7%減と低調だった。住宅着工は11月も低迷しており、押出材の不振が続く見通し。


貝IXIL鈴木シャッターが発売
防煙垂れ壁「スモバリア」

 シャッター・防災機器のLIXIL鈴木シャッター(牛尾清明社長)はこのほど、次世代型不燃シート製防煙垂れ壁「スモバリア」に、「スリムパネル式」を追加した。細径化したフレームによってすっきりした納まりを実現した。
 「スモバリア」は透明な不燃シートを採用し、高い透光性と安全性を確保できる防煙垂れ壁。地震でも破損がなく、震度6程度の揺れでも部品・部材の落下がないことを確認済み。軽量で扱いやすく、施工性も良い。
 新製品の「スリムパネル式」はフレームの厚さを従来品比2/3に薄肉化、より軽量化を図った。



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