＜圧延・押出関連機器＞

アルミコイル製品端面自動補正装置

　りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞社は優秀な新技術・新製品の表彰を毎年開催しているが、そこで優良賞 〔産学官連携特別賞〕 を受賞した製品。
　アルミ材は地金を溶解・鋳造・圧延するが、装置で巻き取ってコイル状にする際、横幅方向にズレると端面が反り返ってしまう。このズレを自動修正して端面を揃えるには、端部位置検出センサーでズレを読み取り、修正に必要な力を計算して、押さえローラーで押さえる。直径 700 mm 程度のコイルの場合、端面の凹凸は 2 mm 以下にできる。
　この装置は既存設備に増設することも可能。

革新的なビレットヒーター２機種

　EFFMAG Prizztech Ltd. （マグネット研究センター） が開発した 2 つのビレット加熱ソリューションが注目を浴びている。1 つは 「永久ネオジム磁石搭載のマグネット式インダクション （誘導加熱式） ビレットヒーター」、もうひとつは 「コンダクション （接触式） ビレットヒーター」 である。
　アルミビレットは押出加工の事前に 500℃まで加熱される必要がある。これまでの方法ではエネルギー効率が 35〜50％しかなかったが、EFFMAG ビレットヒーターなら 75〜80％のエネルギー効率が得られる。永久ネオジム磁石をビレット側面で回転させて、交流磁場フィールドを発生させることで、従来のインダクション加熱よりもはるかにエネルギー効率を高められる。同社 R&D 部門では、ビレット加熱における永久磁石の独特な使用法や最適な磁石の組合せに関する幅広い知識を保有している。

UBE NPC-SS シリーズ/SS-Hybrid シリーズ 押出プレス

　「UBE 押出プレス」 は幅広いユーザーの皆様に支えられ、累計出荷台数が 570 台をこえるに至りました。
　また、昨年、ベストセラーのステムスライド型ショートストローク式押出プレス 「NPC-SS 3G」 をベースに、省エネ・省スペース化を実現した 「NPC-SS 3G Premium」 を上市。
　UBE は今後もユーザーの皆様からのご要望を満たす、高性能・高品質なマシンを提供していきます。

アルミ押出用プラー新開発、高速リターン･軽量･低騒音

　アルミ押出関連設備トップメーカーのアルシスは、アルミニウム押出用プラーを独自に開発、販売している。
　同装置の特長は次の通り。
�@フレーム・カバー等にアルミニウムを使用して軽量化を図ることで、高速リターンを実現し、生産性を向上させた。
�Aサーボモーターを採用することで高精度の位置制御が可能となり、後面側の制御に貢献する （後面のノーマン化を実現）。
�Bサーボモーターによる自走式プラーであるため、全長にわたって安定した張力制御が可能となり、押出材の品質向上に貢献する。
�C車輪材質に特殊樹脂を採用することで、長期間交換不要である。
�D車輪や駆動部品の交換等のメンテナンスを容易にした。
�E電装品・制御機器に汎用品を採用し、システムのメンテナンスを容易にした。
　牽引力は 100〜400 kgf。国内・海外とも積極的に販売している。

押出後面設備

　アルシスは押出後面設備の納入実績が既に 50 設備を超え、わが国のトップメーカーである。独自開発した最新式高速プラーや、イニシャルテーブルから最終の積込装置まで、広い範囲を独自の創意と蓄積された高度の技術力に基づき設計・製作している。アルミ押出業界の多様化するニーズに対応した優れたシステムを素早く納入して顧客から高い評価を得ている。
　特に同社が独自の技術をフルに発揮している仕上げ切断機では高精度・低騒音タイプに加えて、上バイス部から切粉を吸引するなど長年の切粉問題を解決している。
　また、ストレッチャーでも合理的なチャッキングが可能であるスクロールタイプを採用して、さらに省エネ・防災にも力点を置き、同機の駆動方式を油圧から電気−空圧に切り換えている。
　設備全般にわたり、省エネ、歩留・品質向上、資源回収に設計を集中している。

長尺ラック搬送システム

　アルシスでは、後面設備と熱処理炉間、表面処理間のラック （パレット） 搬送を多数納入している。
　同社のラック搬送システムの特長は、省スペース・省エネルギー・省メンテナンス設計を生かした自走式ピッキング台車、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、方向転換コンベヤ、トラバーサ等をラック形状に合わせ、適切に組み合わせし、空ラック、実ラック、スペーサ等の搬送を行い、その在庫量を最小にし、無駄な運搬を省き、生産効率を高めている。
　また、各工場のそれぞれのレイアウトに対応したオリジナル提案や設計を行います。
　なお、バーコードによる在庫管理、ラック行先管理および上位 CPU によるシステムコントロール等にも対応可能です。

アルミビレット切断システム

　同社では、鋳造工程、押出工程内のアルミニウムビレット切断システムを多数納入している。
　ビレット供給装置・搬送コンベヤ・ビレット切断装置・定寸装置・切断切粉回収装置 （集塵機）・チッププレスを効率よく配置し、切断システムとして顧客に納入し、高い評価を得ている。
　特長は、工作機械設計技術を応用した高剛性設計を生かし、鋸刃の薄化および高速切断を実現している。また、切断時の切粉回収率を上げるようフードの形状を工夫し、切断切粉の周囲飛散を防止している。切粉は空気搬送され、サイクロンで分離後、チッププレスで圧縮減容され自動排出される。
　当然、全自動で無人運転可能である。特にビレットの衝突音、ブロワー騒音等に対して低騒音設計を採用している。

CASTOOL のツーリングは押出をより改善します

　アルミニウム押出での各ツーリングは、個々の機能として働くのみならず、相互に作用し合い付加価値向上に寄与します。
　リング取り替えタイプの 3 ピースタイプに高圧用を新たに加え、シングルセルダイス炉にはトリプルタイプスーパーオーブン、またこれらの自動加熱・制御・搬送を、QR コンテナには温度分布の影響・効果を推奨、その他グラファイトを含まない離型剤 「ALU-JECT」 等を加え、トータルシステムとしての押出の改善への貢献を目指しています。

ドイツ GRAMM 社製　密閉・自動循環式押出ダイス洗浄システム 「GAMMAT CBS」

　押出ダイスの残存アルミを洗浄、除去する洗浄槽は、コンパクトであり、洗浄作業の安全と経済性、作業時間短縮、環境保全などが求められる。
　独・グラム社が開発した本シリーズは下記の特徴を持つ。
�@コンパクト化：モジュールシステムによる密閉・循環方式の高性能洗浄プラントを狭い場所にも設置可能。
�A優れた経済性：バッチ洗浄方式と比べ処理時間を約 1/2 に短縮、NaOH 消費量を約 3〜5 割に低減、大幅な節電が可能。
�B作業性：密閉・自動循環式による完全自動洗浄により安全作業。ダイス挿入取出しも簡単。
　作業者一人で操作可能。
�C環境保全：密閉・自動循環方式により環境汚染が少ない。
�D安全性：密閉カバーと溶剤自動循環方式、水素排出システムにより作業の安全が確保され、
　非常時には自動停止システムが作動する。